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風立ちぬ

日々の想いを風に乗せて…

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青が澄む時間 

もし、あなたが、この街に訪れるなら…
できるなら、こんな時間に来てください。

夕暮れのセピア色が、静かな夜の帳にほどけていく時間
セピア色の粒子の中に、青い粒子が混ざっていって
いつの間にか、どこまでも澄んだコバルト色の夜空の色に溶けてゆく

帰宅を急ぐ人たちに続いて駅の改札を抜ければ、いつの間にか街の中に消えて
古い映画の看板が、懐かしく語りかける。
細い迷路のような路地を潜り抜け、遮断機のある踏切を渡り、駅を振り返れば
旅心をそそられるように灯りが灯っていたりする。

20100530190059.jpg

この街の片隅に、小さなコーヒーショップがあります。
ねじまき雲という名のこのお店。何度か通りかかる度に入ってみたくて…
なんとなく、不思議なオーラがあって、こころ惹かれるそんなお店ってあるでしょう?
きっと、あなたも、気になると思うわ。
今日は、どうかな?と思ったら、やっていないみたいでした。
ああ、残念だなぁ…今日は入ってみたかったのになぁ
そう思って、お店の通り側にある窓辺へと歩いて行きました。
その瞬間、窓辺に“ポッ”と、灯りが点りました。

20100530184317.jpg

わたしは、ドキッとして、本当にドキドキしながら、入り口に回ると、
飾り窓に引いてあった布製のブラインドが開いているではありませんか…
今日、来る事を意味づけられていたように、そんな気がして、
わたしは、迷わず、お店の引き戸をガラガラと開けました。
ほの暗い店内には、何か、昔からの時間がうずくまっているような、
ちょっと鄙びた匂いがして、一瞬、目がくらんだ気がしたけれど、
お店の奥に、とっても居心地が良さそうなオレンジ色の灯りが点る厨房がありました。
そして、そこに、開店と同時に飛び込んできたわたしを、やっぱり少し驚いた顔で見つめているマスターと目が合いました。

20100530190937.jpg

あのう…イイデスカ?と、わたし、  はい…ドウゾ、お好きな席へ とマスター

狭い空間なのだけれど、おかれた木の机や、カウンターや、椅子や、飾りだななんかが、
とても味わい深くて、懐かしくて、お洒落で、なんとも心落ち着くのでした。
わたしは、座る席を決めて、座ったけれど、回りが気になってきょろきょろ見回しました。

20100530191152.jpg

マスターが、お水の入ったグラスを、小さなお盆に入れて現れると、
テーブルに、グラスを置き、背中を小さく丸めて丁寧に、お辞儀をします。
手作りの小さなメニューには、とても、丁寧にコーヒーの説明書きが載っています。
詩のような、店主のメッセージも書かれていたりして。
わたしは、“朝露のしずく”という、コーヒーを注文すると、マスターは、
また、丁寧に一礼して厨房へと戻っていくのでした。

わたしは、ぼんやりと飾り窓から外の景色を眺めていると、厨房では、マスターが真剣な眼差しでコーヒーを入れ始めます。
コーヒーミルで、豆を挽くところから始ります。
そして、ドリップする仕草がまた素敵!
細い注ぎ口の銅製のポットから、放射線状にお湯を注ぎいれます。
本当に、丁寧に、真剣に、一杯のコーヒーに精魂を傾けている。そんな感じです。
最後に、テイスティングする、シュッと、コーヒーを啜る音は、まるで、ワインのソムリエがテイステイングしているみたいです。

20100530191332.jpg


そして、出された琥珀色の一杯のコーヒー
お待たせいたしました。朝露のしずくでございます。
そう言って、マスターは、また、大きな体をちぢこませるようにして、丁寧にお辞儀をしました。
その仕草が、何だかとっても好感が持てるのでした。

わたしは、コーヒーを一口飲んで、本当にびっくりしました。
普通のコーヒーに使う豆を、10倍ぐらい、使ったのではと思えるくらい濃厚で凝縮された味と
その薫りの高さに、今まで一度も飲んだことのない味わいを知りました。
これが、本当のコーヒーの味なのでしょうか。カルチャーショックです。
最初は、驚いたけれど、ゆっくり味わううちに、その味の虜になったみたいです。
手作りのチョコレートと実に良くあっておいしいのでした。

20100530191500.jpg

あなたが、今度、この街に来たら
ぜひ、このお店をたずねてください。“ねじまき雲”という不思議なお店。
古いものを、大切に使って、今に生かしている…そんなお店です。

そして、訪れるなら、ぜひ、こんな夕暮れ時の青が澄む時間に…

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コメント

朝露のしずく

sizukuさん、こんばんは。

いいですよねぇ、こういうお店。
ミルで豆を挽いて、銅製のポットからお湯を注ぐ。
ちょっと前までどこにでもあったのに、今はホント少なくなりました。

あと昔だったらその次に、煙草に火を点けて…だったのですが、今は止めました。

「朝露のしずく」とは、偶然でしょうが、驚きますね。
きっとそのお店で一番高級なんでしょうね。

youic #- | URL | 2010/06/26 22:43 - edit

窓に明かりが灯った写真がすごいなー。
青い窓辺というのもsizukuさんの書き出しにぴったり。
ちょっと宮澤賢治テイストですね!

それにしてもそのコーヒーの味。
想像ができません!

シュー #6AEdlCeU | URL | 2010/06/26 23:18 - edit

youicさんへ

youicさん、コメントありがとうございます。
なんでも、早く、簡単に、そんな時代の流れに逆行していくようなお店です。
昔懐かしい、こんなお店を、なんと30代前半の若者が経営しています。
彼の中のどんなスピリッツが、昭和レトロを地で行けるのか不思議です。
穏やかに時が流れているような不思議な空間、
わたしは、すっかりこのコーヒー店に魅せられてしまいました。
「朝露のしずく」より、もっと高級なのがありましたよ(*^_^*)

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2010/06/27 16:43 - edit

シューさんへ

シューさん、いつもありがとうございます。
この写真は、カメラを持っていかなかったので携帯電話で撮影したものなんですよ。
でも、このレトロっぽい画像が妙にしっくりきますね。
青い窓辺の写真、実際にはもっと幻想的です。同じような感覚で感じてもらえて嬉しいです。
あの時間帯が、きっとぴったりなお店かもしれません。店主のこだわりを感じます。
いい意味で、自分自身の想いにこだわり続けるって素敵ですね。
あの、コーヒーの味は、とても言葉では表現できません(笑)
シューさんもいつか飲みに来てください。
じつは、昨日、夏への扉と一緒に、masaさんをご案内して来ましたよ。masaさんも喜んでくれました(*^_^*)

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2010/06/27 16:54 - edit

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