Admin New entry Up load All archives

風立ちぬ

日々の想いを風に乗せて…

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

CM: -- TB: --   

天空に続く道 

上ノ樺は、最後の緑陰を作ってくれていた。
わたしたちは、この木陰で昼食を取ることにした。山に行くとすぐお腹がすくわたしだったが
なんだか、今日はあまり空腹感がない。でも、食べておかないとね。
見上げればダケカンバの緑の葉が風にそよいで木漏れ日に輝いて綺麗だ…
わたしは、おにぎりをかじりながら、梢ばかりを眺めていた。

上ノ樺を抜けると一気に岩稜地帯となる。
そして、ハイマツの向こうに、また白馬三山が見渡せる。今日は何度カメラを向けることだろうか…
でもやっぱり向けてしまう。そして密かに思う、今度はあの尖がった白馬鑓に登ってみたいと。

karamatu13-8_776.jpg



行く手に雪田が見える。この時期なのになんて白く綺麗なんだろう…
万年雪は、このまま秋を迎え錦秋に映えるのだろうか。そして直ぐに初雪を迎えるんだろう。
そう思うと、短い夏を北アルプスの片隅で謳歌出来る幸せを感謝した。

karamatu13-8_767.jpg


岩場にはたくさんの高山植物たちが迎えてくれた。
そして、何度か煌めく太陽の彼方へと媚び去って往くアサギマダラを目にした。
優雅にたおやかに舞う飛翔とは対照的な力強いものだった。
旅をする蝶の逞しさを垣間見た気がした。

他にも、初見のクジャクチョウも見れたのだけれど、写真には残せなかった。

ミヤマダイコンソウ(バラ科)

karamatu13-8_796.jpg


ヤマハハコ(キク科)

karamatu13-8_772.jpg


タカネヤハズハハコ(キク科)

karamatu13-8_960.jpg


コイワカガミ(イワウメ科)

karamatu13-8_843.jpg


可愛いイワカガミに逢えるなんて思っていなかった。まだ新鮮で綺麗な花がたくさん咲いていた。
白いチングルマの群落とのコラボは、とっても美しい。


karamatu13-8_840.jpg



チングルマ(バラ科)


karamatu13-8_971.jpg


チングルマが咲き続く道

karamatu13-8_968.jpg


コバイケイソウ(ユリ科)

karamatu13-8_699.jpg


コバイケイソウって、山に登る人なら誰でも知っている花だと思う。
群れを作って咲く花だけれど、今年はどこの山でも当たり年だと、良く耳にする。
梅の花に良く似た小花をたくさん集めて穂状にして咲く姿は遠くからでも良く目立つ。
遥かな明るい草原に、どこまでも咲き続く雄大なこの花の姿を見た時、山に来た喜びを感じる。


karamatu13-8_999_14.jpg


五竜岳…威風堂々として実に大きな山容が、常に左前方に聳えていた。

karamatu13-8_867.jpg


そこに続く稜線も険しいなぁ…

karamatu13-8_866.jpg


そして、今、わたしたちが歩いて行く、天空へ続く道

karamatu13-8_957.jpg


タカネバラの実(バラ科)

タカネバラって、高山植物のなかでも屈指の美しい花だと思う。
たおやかな大きな花びらと、レモン色の蕊、一重の薔薇そのものの美しさだ。
照りつける日差しの岩場を登って来てハイマツの陰に、この花を見つけたら疲れも一気に飛んでいく。
花は終わってしまって残念だったけれど、特徴のある実が残っていた。

karamatu13-8_894.jpg




ゴゼンタチバナ(ミズキ科)

karamatu13-8_861.jpg


花も清楚で美しいし、秋になって真っ赤な実を付けると可愛らしくてついカメラを向けてしまう。
マイヅルソウと並んで、好きな花(実)の一つだ。

karamatu13-8_929.jpg


ツマトリソウ(サクラソウ科)

わたしは、妻取草かと思っていたけれど、褄取草らしい(*^_^*)
名前の由来は、花冠の裂片のふちや先が赤く染まるつまとりがあることに由来するという。
なぁんだ、妻をめとると言う意味があるのかなぁと思っていたけど…(笑)

karamatu13-8_906.jpg


ミヤマアキノキリンソウ(キク科)

karamatu13-8_941.jpg



ミヤマリンドウ(リンドウ科)

ほとんど数えるほどしか咲いていなかったけれど、大好きな紫系のお花に逢えて嬉しい。
リンドウやキキョウといった秋の花が好きなので、それに似たお花は総じて好きなのだ。
雪が消えた尾瀬の湿原に咲く、水色の星、青いタテヤマリンドウも大好きだし、
湿原の最後を彩るエゾリンドウは…たとえようもないくらい好き。
春先の野山に咲くハルリンドウやフデリンドウの真っ青な花も好き…
そして、このミヤマリンドウの黎明の星空を思わせるような深いしじまの紫もいいなぁ…

karamatu13-8_933.jpg



花たちを愛でながら歩いていたら行く手に小さなケルンとピークが見える。
ここが、丸山((2430m)見晴らしが良くって、思わず駆け上って行きたくなる。


karamatu13-8_903.jpg


丸山ケルンの前で憩う人たち

karamatu13-8_889.jpg


小さなピークからは、360度の眺望!!


天狗平から不帰の嶮方面  左端不帰1峰と天狗の大下り(不帰キレット)が見える
天狗平から不帰の嶮へは、300mの急降下から始まるそうだ。そして、不帰1峰から2峰にかけては
不帰の嶮の核心部の垂直に近い岩場を登るそうだ。
自分には、もう、その体力はないかも知れないけれど、越えて行きたい…憧れの山なのだった。

karamatu13-8_879.jpg


そして、天狗尾根から白馬鑓、杓子、そして白馬岳、小蓮華岳への稜線。

karamatu13-8_886.jpg


目を転じれば、五竜の逞しい山容が望める。あまりの気持ちの良さに足取りも軽くなる。

karamatu13-8_918.jpg


抜けるような夏空の下、後立山の名峰たちの眺めを欲しいままに、歩く天空の道
なんて贅沢なんだろう…しあわせ(^^)

karamatu13-8_912.jpg


やがて、行く手に目指す唐松岳の頂が見えてきた。ここまで来てやっと目にする雄姿。
でも、束の間で、この先を大きく回り込むと再び姿を消してしまうのだった。

karamatu13-8_919.jpg


下山してきた青年たちが、楽しそうにおもしろい写真を撮っていた。
(修行僧のポーズ、横から撮らせていただきました。)
青年の頭の上に聳えるのが、唐松岳、そこから不帰の嶮3峰が続く。

karamatu13-8_948.jpg


まるで、青空に付き出した岬のようにハイマツの繁った岩峰が浮かび上がる。

karamatu13-8_984.jpg


やがて、道は崩れやすそうな崖を巻いて行く。

karamatu13-8_989.jpg


危うげな木橋が付けられていた。

karamatu13-8_988.jpg



近づいてみると、崖下には綺麗な石組みが積まれている。こんな高い場所に石組みがあるのが
とても不思議だった。同じ大きさの平たい石を丁寧に積み上げてある。
なんだか不思議、ここはマチュ・ピチュ?と思った。


karamatu13-8_999_5.jpg


わたしたちが不思議がっていると、通りかかった山岳救助隊の方が、この石組は、ネパールの方が
作ったのだと教えてくれた。今年の雪が消えた頃から作業して、数カ月で作り上げたそうだ。
『お蔭で、道幅が倍に広がり、登山者が安全に通れるようになりました。以前は鎖を持って渡るような
危険な個所でした。ひとつ、ひとつ岩を割って積み上げていくんです。素晴らしい技術ですよね!』
と、救助隊の青年は、日に焼けた浅黒い顔をほころばせた。

わたしたちは、すっかり感心してしまった。良く見ると岩壁には補助用の鎖が付いているが、
それも必要ないくらい、十分な広さのある登山道になっていた。

でも…。と、青年は言葉を続けた。

『せっかく、素晴らしい道を作ってくれたけれど、来年の春には跡形もなくなっているでしょう。』

『そうか、雪で壊れてしまうんだね。』と、安曇野さんが言葉を続けた。

『はい、豪雪地帯ですからね…仕方ないんです。』と、青年が爽やかな笑顔で答えた。

わたしは、たった数ヶ月の夏道のために、丁寧に作業をするネパールの人たちの事を思った。
お蔭でわたしたちは安全に通過することが出来るのだった。彼らの労力に感謝し、心して渡ろう…
山岳救助隊の青年に教えていただいて良かったと思った。

さっきのハイマツの岬が眼下になった(^^)
どんどん高度を上げている。どんどん空に近づいていくみたい。

karamatu13-8_999_10.jpg

あっ!チシマギキョウが咲いている…たった一輪だけれど出逢えて嬉しい。
わたしは、昨年の白馬岳で、初めて出逢えた感動を思い出した。

karamatu13-8_999_15.jpg



ことしも、天空の道で、また逢えたね。
孤高のチシマギキョウは絶え間ない風に揺れていた。

karamatu13-8_999_35.jpg


わたしの影が降りた崖下には、ミヤマキンポウゲのお花畑が広がっていた。

karamatu13-8_999_29.jpg


この角を曲がり込んだら…

karamatu13-8_999_25.jpg


目の前に唐松山荘の赤い屋根が飛び込んできた。
「あなた!!山小屋が見えたよ!!」と、わたしは振り返って安曇野さんに叫んでいた。

karamatu13-8_999_23.jpg


午後、2時30分、わたしたちは同時に唐松山荘に到着した。
標準タイムは、遥かにオーバーしているけれど、今年は、目標にしていた午後2時前後に山小屋に
到着することが出来て、良かった(*^_^*)v

karamatu13-8_999_45.jpg


唐松山荘は平成22年にリニューアルが完了した、とても綺麗な山小屋だ。
小屋の入り口には、一対の唐松の鐘がある。

小屋の説明書きより
   昭和11年4月、皆様の安全登山を祈願して池田様よりご寄贈頂いたものです。
   幾多の風雪に耐えながら現在も山荘と共に静かに登山者の安全を祈り続けています。

karamatu13-8_999_48.jpg


この鐘の下に劔・立山連邦が望めるはずなんだけれど、見えなかった(/_;)
良く晴れていたのだけれど、遠望が利かなかったのだった。

karamatu13-8_999_50.jpg


唐松岳の雄姿を仰ぎ、小屋の受付を澄ませ、部屋に入った。
わたしが荷物の整理をしているうちに、安心したのか安曇野さんは寝てしまった。
昨夜遅くにロープウェイの駐車場に着き、4時間程度の仮眠だから無理もない。

夕焼けの前に、唐松岳を往復してこようと思っていたのだが…一人で抜け駆けするのも悪いので
わたしは、唐松岳の写真だけ撮って、小屋の中をぶらぶらしていた。

karamatu13-8_999_37.jpg

karamatu13-8_999_43.jpg


そろそろ、夕焼けかな?と思い外を見てびっくり(@_@;)
さっき、あんなに晴れていたのに、ガスガスガス…1m先も見えないくらい真っ白だった。
う~ん、仕方がない。明日の朝焼けを期待して、夕焼けは諦めたのだった。

この手ぬぐい、お土産に買いたかったけれど売り切れ…バンダナはいいのが無くて諦めた。

karamatu13-8_999_53.jpg


夕飯の準備が出来たようなので、安曇野さんを起こして食堂へ

karamatu13-8_999_51.jpg


あまりお腹もすいてなかったので、特別食でなく普通の夕飯を頼んだけれど、美味しかった。

karamatu13-8_999_56.jpg


8時半ごろ就寝したが、夜中じゅう、強い風が吹いていた。
何度か、星空が見えないだろうかと起き出してみたものの、相変わらずの濃霧だった。

明日にはどうか晴れますように…と、祈りながら目を閉じた。


長くなりました、続きます。

スポンサーサイト

category: 森・山

CM: 8 TB: 0   

コメント

後立山は好きな山ばかりで白馬から針の木まで継走(何回かに分けて・・・)しています。

主に針の木雪渓や白馬雪渓を登りました。
(白馬ロープウエイ利用は軟弱者と嗤われる時代だったかも・・・)

覚束ない記憶ですが・・・
稜線に達しさえすればあとは楽だったように思います。
不帰の剣も八峰キレットも恐怖は感じなかったです。
(若くてバランス感覚が最高の年齢だったせいかも・・・)

足もとに寄る雷鳥やブロッケン現象等々を想い起します。

当時・・山小屋は米持参が条件でした。
家の米を持ち出すには母親の許可が必要です。

「勉強しなくても良いから・・・デモと山だけは・・・止めて!」と泣いた
母親の顔が昨日のことのように想い出されます。

それにしてもレストランのような綺麗な食堂で美味しそうですね。
昔はカレーライスだけだったような・・・

shin #gg06ppQg | URL | 2013/09/01 07:47 - edit

sizukuさん、おはようございます。♪
あーっ、上ノ樺での昼食場所、もしかすると私たちが摂った場所と同じかもです。
登山道脇にぽっかりと休憩場所があってのんびりと休憩するのに打ってつけの場所でした。(*^^)v
そして、山荘到着も同じく2時半頃でした。
天空の空は気まぐれですね。
真っ白に覆って風の音だけが騒がしかった。
綺麗な花と景色がいっぱい、やっぱり信州の山はいいなぁって感じます。(^^)/

クロちゃん #QfAHIh9c | URL | 2013/09/01 09:04 - edit

>「勉強しなくても良いから・・・デモと山だけは・・・止めて!」と泣いた
母親の顔が昨日のことのように想い出されます。

shinさんのコメントを読み、朝からうるうるしてしまいました。

しいちゃん、白馬の山々は本当に素晴らしいね。
そしてチングルマやたくさんの花が咲く登山道。
去年の白馬岳同様、いい山ですね。

山小屋の夕御飯もたくさんおかずがあって、栄養たっぷり。
こんなに天気がよかったのに、夜は霧だったとは、天空の空は読めないものですね。

私も霧に計画がとん挫した夏でした。ブログがなかなか更新してないのですが。。


はるか #T2PFTBgw | URL | 2013/09/01 12:29 - edit

shinさんへ

shinさん、ご覧いただき、コメントありがとうございます。
shinさんは、北アルプスの先輩でしたね!!
白馬から針の木まで、縦走されていたとは素晴らしいです。
不帰の嶮も八方キレットもものともしない若者だったのですね~♪
わたしは、昨年の白馬行で、不帰の嶮がとっても気になっていたんです。
今回、唐松岳山頂から、天気が良ければ3峰ぐらいまで行けないだろうかと思っていました。
でも、安曇野さんを説得する自信はありませんでしたが…

やはり、あの不帰の嶮の姿を目の当たりにすると行ってみたさが募ります。

お母さまの思い出、はるかちゃんと同じで、母として胸に迫ります。
わたしも、20歳の時、山岳部で白馬岳に行くチャンスがありました。
でも、台風が来そうで…母から行くのを止めてほしいと懇願され、諦めたことがあります。それ以来、北アルプスには縁がありませんでした。

今も、母が生きていたら、北アルプス何てとんでもないと、止められていたかもしれません。
そうそう、レストランのような豪華な食事も、昨今の山小屋事情も様変わりですよね…

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2013/09/01 18:33 - edit

クロちゃんへ

クロちゃん、こんばんは(^^)
長いレポを読んでいただきありがとうございました。
そうでしたか、クロちゃんたちも上ノ樺での食事でしたか。
やっぱり、あの場所しかないですよね~♪
夏山での木陰はありがたいですよね。

本当に高山のお天気は気まぐれです。
でも、また、次回リベンジする目標が出来ました。
今度、あの劔の絶景を目の当りにしたら、感動することでしょう。
その時まで、とっておきますね~ヽ(^。^)ノ

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2013/09/01 18:42 - edit

はるかちゃんへ

はるかちゃん、コメントありがとう(^^)
お忙しい中、相変わらずの長いレポを読んでくださってありがとう。
やっとこさ、最終章に辿り着けました。山道よりも長いかも(笑)

八方尾根は歩きやすくて、花は多いし、初心者には良い山でした。
昨年の白馬が厳しかったので、今回は随分楽だった気がします。
その分、冒険はないのだけれどね。

霧に阻まれましたけれど、それはそれでいい思い出です。
来年に続けられたら良いなぁと思っています。

そうそう、殿下のお話には、うるっときますね。
今と違って、昔は携帯電話もないから、一度山に入ったら、
お母様はどれほど心配していらっしゃったことでしょうね。

今回、唐松岳山頂でも携帯電話がつながったのには驚きました(@_@;)

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2013/09/01 18:53 - edit

素晴らしい眺めが続きますね。
凄いなぁ~、凄いなぁ~ まさに天空の道やわぁ~~♪って(*^_^*)

お花も一杯一杯でこちらも凄いです、写真撮ってたら前に進めなくなるね(笑)
チシマギキョウの横姿のアップ、良いですね♪

お千賀さん #JalddpaA | URL | 2013/09/03 23:38 - edit

ちかちゃんへ

ちかちゃん、読んでいただいてコメントありがとう。
本当に、八方尾根はとっても見晴らしが良く、お天気なら絶景がずーっと望めます。

自分では立つことはできないだろう数々の名峰を望むのも良いものです。
お花はなかなかじっくり撮るのは難しいです。
実際、みなさん、山登りがメインだから、一眼でしゃがみこんで花の写真を撮ってる人なんてほとんどいなくて…(笑)

でも、出来る限り撮りたかったので、根性で撮りました(笑)

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2013/09/04 13:05 - edit

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://sion920.blog74.fc2.com/tb.php/401-c3464803
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。