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風立ちぬ

日々の想いを風に乗せて…

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白梅香るころに 

昨夜、古い友人から電話があった。
中学・高校と共に学び、その後進路は別れたが、お付き合いが続き、
独身時代のいくつもの思い出旅行を一緒にした親友だった。

それぞれ、忙しい暮らしの中で、数えるほどしか逢っていないが、
いつも心のどこかにいてくれる懐かしい幼な馴染みだった。

久しぶりに電話越しの友の声は、いつもの明るさが無く曇っていた。
わたしは、すぐに何かあったなと直感した。
やはり、彼女のお母さんが亡くなったとの事だった。
虫の知らせなのか、くしくもわたしが母の事を思い出した後に、
亡くなったそうだ。

今日がお通夜ということなので、半休を取って午後から実家のある街へと向かった。
少し時間に余裕があったので、父母のお墓参りをした。
父母の名が刻まれた墓石を清めながら話しかけ、お花を供え、好きだった豆大福をお供えしても何だか虚しさが胸をよぎるのだった。

そして、お通夜の会場のお寺へと向かう道すがら、久しぶりに美しい夕陽を眺めた。
お寺の庭には、見事な枝振りの白梅があり、夕暮れの暮色の中で匂い立つように美しいと思った。

友は、昔から泣き虫だった。どんなにか気を落としているだろうと心配したが、穏やかな微笑を浮かべながらわたしを迎えてくれた。
友のお母さんは、6年間の闘病生活の後に亡くなったそうだ。
昨年は、毎週末は、兄弟で交代でお見舞いに訪れ、最後の数日間はずっと付いていてあげられたから、思い残す事はないと、友はゆっくりと話した。
わたしは、父母との別れを思い出し、涙ぐみそうになったけれど、泣き虫な友が、気丈に涙を見せずにいるのだから、涙をこらえた。

わたしは、たくさんの生花で飾られた祭壇の遺影を見つめた。
お寺のご葬儀でありながら、古めかしい祭壇ではなく、美しい花々を敷き詰めたなかで微笑む故人の写真がとても印象的だった。

友は、わたしに、「逢えなかったこの二年間の間に、いろいろな事があったんだよ。○○ちゃんに、話したい事がいっぱいあるんだよ。」と言った。
わたしは、「今度、ゆっくり聞くからね。暖かくなったら逢おうよ。」と約束した。
彼女は「今日は、遠い所を来てくれて本当にありがとう。それじゃ、また、今度…」と会釈をし、優しげな眼差しで見つめるご主人と、頼もしく成長した息子さんたちと共に、会場へと入っていった。

わたしは、焼香を終えた喪服姿の人々と共に外に出た。
静かに、喪の灯りが点る夜道を歩きながら、いろいろな事が頭をよぎった。
久しぶりにみる、故郷の田舎道が緩やかに曲がりながら続いている。
誰にも、いつかは、必ずこんな日が来るんだなぁと、ぼんやりと思った。
どこからか、白梅の香りが漂って、春が近い事を告げていた。

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category: 日々の思い

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コメント

いろんな形の別れ?

sizukuさん 少しのご無沙汰ですがお変わり有りませんか?

私も今月は大分落ち込んで居りました、大事な山仲間は八ヶ岳の山荘で長年小屋番をしながらガイドや山岳救助隊をしていた猛者が一昨々年に山女と巡り会い晩婚でしたが目出度く結ばれ、山を降り郷里の和歌山へ

昨年女の子が生まれてから親馬鹿メールが届く様になりました。
その彼が先々週勤務中、交通事故に遭い山よりも高い所に逝ってしまった!
残された奥様や一歳になったばかりのお嬢さんの事を思うと辛く悲しいです。

でも彼が大好きだった八ヶ岳、それも花が綺麗な7月のコマクサ祭に合わせ山岳会の仲間達大勢で追悼登山をする事に決定、お線香を持参し彼と心の会話をしてきます。

これから山を目指す時、彼は千の風に乗って雲上よりも高い場所から安全山行を見守って呉れるでしょうね。
おっちゃん一歩一歩慎重に行けよ何てね、そして私はいろんな事を教えてくれた彼のアドバイスを思い出しながら今シーズンも山へ通う事でしょう。

山好きなおっちゃん #A4B.RTjY | URL | 2010/02/26 09:43 - edit

お仲間の分も…

山好きなおっちゃんこんばんは。
おっちゃんも、突然の悲しい別れを経験されたのですね。
お話を読んでいて、胸が痛みました。人の運命とは分からないものですね。
本当に、残された家族の事を思うとやりきれなく感じます…i-241

それにしても、山仲間って優しいですね。
7月の追悼登山では、みなさんの思いが、きっと彼に届くと思います。
山好きなおっちゃん、彼の分まで、山人生を楽しんでくださいね(*^_^*)

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2010/02/26 22:15 - edit

No title

 育ての母が、真夏の暑い盛りに最後の入院をしました。それからの一週間、電車で終電に乗り病院に行き・・始発で、家に戻りました。そのとき、さまざまな思い出が走馬灯のように蘇りました。
 鈍行電車で茨城まで行ったこと。車窓からいろんな風景が見えて・・それが病院の生き返りの暗い車窓から見えるんです。
 飴一つなめても、駅で買ってもらった「冷凍みかん」を思い出し・・・涙・・涙・・涙・・

 でも、最期のときは・・・「ご苦労さま。もう、苦しくないからね。」と、言えました。

 別れは、辛いけれど思い出まではなくならないと・・最近やっと!!育ての母との今生での別れのけりがつきました。

びるげ #L1ch7n1I | URL | 2010/02/27 09:10 - edit

びるげさんへ

びるげさん、こんばんは。
びるげさんの育てのお母さんとのお別れ、真心を尽くしたから、きっとお別れが出来たのでしょう。
いつかは来る日をどんな風に迎えるか、見送るか…
どんなに尽くしても、それで良いと言う事はなく、やはり後悔ばかりが残るもの…
でも、そんなやりきれない想いも、時が優しく癒してくれるものなのだと思います。
時って、不思議なものですね。

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2010/03/01 23:19 - edit

ありがとう

しばらくおじゃましてなかったので、少しずつ読ませていただきましたが、これ、正直、泣いてしまいました。

情景がちゃんと想像できるんですよ。

忙しくて忘れていたやさしいひとときをありがとう。

やっぱり、貴女のファンでいて良かった。
これからもファンでいます。

エジちゃん #- | URL | 2010/03/14 21:14 - edit

エジちゃんへ

エジちゃん、暖かいコメントありがとうございます。
エジちゃんにとって、想いは走馬灯のように駆け巡るのだと思います。
大切な人を失った哀しみ…それは想像を絶する事なのでしょうね。
エジちゃんの優しさ、強さ、大きさ…
何だか北の大地のような人だと思いました。
わたしが綴る拙いブログのファンだと言ってくださって嬉しいです。
わたしは、わたしのままでこれからもここにいますので、また、訪ねてきてくださいね(^^)
お話できるのを楽しみにしています。

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2010/03/16 00:28 - edit

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