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風立ちぬ

日々の想いを風に乗せて…

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ふたたびの奈良、麗し 

今朝、ベランダで洗濯物を干していましたら、カッコウの声を聞きました。
カッコウ、カッコウ、カッコウと三声だけでしたけれど、初音です。
家で、カッコウの声を聞けたのは、かれこれ五年ぶりぐらいでしょうか?
やっぱり嬉しいものですね(*^_^*)

今頃の尾瀬の朝、遠くの拠水林の中から聞こえてくる、カッコウの声と、乾いた木道の上をひらひら飛んでくる
モンシロチョウ、池塘の脇の湿原からそこはかとなく聞こえてくるカエルの声なんかを聴きながら歩く、ひと時は
本当に長閑な時間だったなぁと、ぼんやり想いを馳せました。
もう過ぎてしまった時は、あまりに遥かで、もう戻れないけれど、戻れないから愛しいのですね。

こんな風に、遥かな思い出になる前に、ふたたびの奈良…綴っておきましょう。
しばらく、お付き合いください




♫ ああ、日本のどこかにわたしを待ってる人がいる
  いい日、旅立ち、しあわせを探しに、母の背中で聞いた歌を道連れに ♪

“いい日、旅立ち”の発車音は、西日本新幹線のメロディ音です。
4月28日早朝、東京発、6時10分の、のぞみ博多行きの車中で聴きました。
『いいね。何だか、これから旅に出ますって感じ♪』と、娘のアイリスが、いたずらっぽい目をしました。
「うん、いい日旅立ちだね。素敵な旅になりそうな予感がする!二日間よろしくね。」とわたし。
もうすぐ、嫁ぐ娘との大人旅。二人で気ままに行くのは、もう今回で最後になるかも…と、センチメンタルな想いを胸に秘め、一時さえも無駄にしたくないと思う母娘なのでした。

滑り出した新幹線、待ち続けた旅は、もう始まりました。
思えば、昨年の3月、8月、12月(京都のみ)と、いにしえの古都、奈良と京都を娘と旅した思い出は忘れがたく
大げさですけれど、わたしの人生の中の最良の時だった気がします。
そして、今回、ふたたびの奈良は、特別公開の秘仏たちに逢いに行く旅でもありました。

名古屋が間近になった頃『まもなく車窓に富士山が大変よく見えて参ります。この沿線で最大のピューポイントですので、どうぞお見逃しなく、ご覧ください。』と言うアナウンスが入りました。
「いままで、こんなアナウンスがあった事、なかったよね?」と二人で言い合いながら、カメラに収めます。

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名古屋を過ぎれば、あっと言う間に京都です。もう、4度目の京都となれば少しは馴染みが出来ました。
近鉄奈良線のホームにもすんなり移動して、3日間の滞在なら、確かにお得な“奈良世界遺産フリー切符”を購入しました。
わたしたちは、2日間なので、微妙なところですが、まあいいでしょう(*^_^*)(結局、ちょっと割高になりました。)

フリー切符では乗れない、特急奈良行の列車。オレンジとネイビーブルーの可愛い車体です。
電車を見ている男の子が、孫のてっちゃんに見えて来て可愛いなぁ…

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わたしたちが乗るのは、こちらの列車、でも古い列車が好きなローカル線テツコのわたしにはツボです。

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車窓からは、昨年12月に訪れた東寺の五重の塔が見えます。
あの時、この列車に乗って一駅で降りてしまった時、そのまま乗って奈良に行きたいと思った二人でした。
そして、今は、その列車から東寺を眺めている…なんだか不思議な気がします。
『ああ、奈良に向っているんだね。』と、アイリスが感慨深げにいました。
「うん、そうだね~!走りだしてる。」わたしは、東寺を見つめたまま答えました。
そして、東寺は、あっという間にビルの陰に飲まれてしまいました。

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近鉄奈良駅で下車して、二人が向かったのは、大好きな興福寺です。
アイリスは、三月に短大時代の友人と訪れたばかりでしたから、迷わずわたしをリードしてくれます。
奈良の街並は、すっかり新緑に彩られ、風光る季節を通り越して、風薫る季節の到来を物語っていました。

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むせ返るような楓の新緑、キラキラ…気持ちいいです。

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芝生には、松ぼっくりがコロコロ

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鹿公園の鹿たちも毛が抜け替わる時期のようです。でも、観光客には大人気です。

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今日は、春の特別公開の南円堂と北円堂を訪ねるのを楽しみにしていました。

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本当は、薬師如来様がいらっしゃる金堂や、阿修羅像や八部衆像、千手観音像などが、圧巻のスケールで展示されている国宝館も見たいところですが、あまり時間がないので今回は省略です。

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興福寺の領内に入ると、美しい五重の塔が目に飛び込んできて、ああ、奈良に来たなぁ~♪と、胸が高鳴ってくるのです。

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拝観の人の波は、金堂や国宝館の方に向いているのか、南円堂方面にはあまり人が行かないようで、ラッキーです。
正面に見える、あの八角の円堂こそが、南円堂です。

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春と秋の特別公開以外は開扉していない南円堂と北円堂は、再建中の中金堂の広い空地を挟んで、五重塔や国宝館の反対側に位置しているので、なかなか目につかないです。

南円堂には、天平彫刻の流れを組む鎌倉時代の仏師康慶(父)とその弟子たちが作った不空羂索観音菩薩坐像
が安置されていて、それを囲むように四方に四天王立像が安置されています。
テレビのCMで何度となく流れた映像、BGMのAgainと共に、わたしたちの心を捉えて離さなかった仏像たちに逢えるのです。

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ドキドキしながら入り口を入りました。そして息を呑みました。
全身金色の観音菩薩像は、ふくよかで優美なお顔立ちと、身に纏った衣の彫刻は、絹の繊細な流れが美しく、見つめているだけで胸がきゅんとしました。

四天王立像も、逞しい肉体の隆起や、表情の豊かさ、より人間的なリアルな表現力に親近感すら覚えます。
八角円堂の天井も美しく、ちょっと東京駅のドームを思い出したりしました。
そして、開け放たれた扉から入ってくる風の心地よさ。新緑の滴るような木漏れ日の色、
何もかもが美しいです。

息を詰めるようにして、南円堂を観た後、外へ出ました。青空に藤棚が綺麗です。


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興福寺と言えば、五重塔が有名ですし、どこから見ても絵になる風景です。

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こちらの三重塔は、あまり知られていないのかも知れませんが、平安時代に建立され、度重なる戦火にも焼失せずに残った唯一の建築物だそうです。五重塔でさえも室町時代に再建されたものだそうですから、どれだけ古いか判ります、。

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北円堂はさらに奥まった所にあり、こんな古い土塀の道を歩いて行きます。土塀って奈良らしくて好きです。
青葉になった桜の木の影が地面に伸びます。

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芝生と木立の向こうに北円堂の屋根が見えます。

美しいフォルムの小さなお堂は広い興福寺の境内の中でも外れにあるので、興福寺を襲った2度の大火からも無事で、現存の興福寺の堂宇のなかでは、最も古いそうです。

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こちらは、仏師運慶(子)作の仏像たちが安置されています。
弥勒如来坐像と四天王像、無著・世親菩薩立像です。

アイリスは弥勒如来坐像を一目見た途端『優しいお顔、わたしはこちらの仏さまの方が好きかも…』と言いました。
南円堂の父康慶の仏像よりも、少し小柄で、どことなく寂しげで優しいお顔立ちの阿弥陀如来像に見えました。
金粉が落ちてしまい、黒い地色が見えているからかしら?と、思いつつゆっくりと堂内を回ります。

ぐるりと回って、斜め後方から、弥勒如来坐像の横顔が見えた時、二人とも同時にアッと息を呑みました。
『綺麗!この横顔が、とても素敵!』アイリスが声を弾ませながらささやきました。
ちょうど、陽射しが射しこんだのでしょうか?黒い仏像の横顔や肩のあたりのラインが、金色に光り輝いたのです。

上手く形容する言葉が見当たりませんが、キラキラ、キラキラ、陽炎のように揺れながら輝いていたのです。
それは、ある角度から見た時に一瞬見えた光景でした。少し位置をずらすともう、その輝きは消えていました。
きっと、入り口から差し込む光の具合と、観た角度とが一致しないと見れない光景だったのではと、今は思っています。
あっという間でしたが、あの一瞬の仏像の美しさは、いまでも瞼に焼き付いています。

アイリスは、『風が横切った時に、光が入ったんだと思う…』と言っていました。
わたしは、娘の研ぎ澄まされた感性の鋭さと、それを受け止める真綿の様なピュアな心とに感動しました。
もう、わたしには無い感性です。(親馬鹿ですね^_^;すみません。)

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端正な北円堂の周りにも藤棚が綺麗です。

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そして、八重桜が咲いていました。

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北円堂に入場する人、出場する人。そして、入り口と出口を風が横切る。光りが過る。

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まだ綺麗に咲いています。奈良で桜が見れて嬉しかったです。

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鳥が落としたのでしょうか?
地面には、たくさんの花房が落ちていました。

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南円堂の不空羂索観音菩薩坐像のポスターを撮ってみました。

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わたしたちは、特別公開の美しい仏像に逢う事が出来て、とても満足でした。
まずは、旅の始りは好スタートです。
少しだけ、金堂の薬師如来様や、国宝館の千手観音様や、阿修羅像に心を残しつつ…
興福寺を後にしました。

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アイリスが、『あっ!いい感じ』と歩みを止めます。
見ると、ひとりの初老の男性がスケッチをしている姿でした。
一心に筆を動かす姿が、何だか良いなぁ… 歴史と向かい合う。祈りと向かい合う。
どんな気持ちなんだろう… こんな古都の楽しみ方もあるのですね。

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美しいカエデの新緑に、風が通います。

あおによし奈良の都は咲く花の薫うがごとく今盛りなり

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さぁ、次は吉野へ向かいます。今夜の宿は奮発して吉野の老舗旅館に取りました。
吉野は4月いっぱいは桜祭りだとの事でした。標高の高い吉野山なら4月下旬までの桜を観れるそうです。
たとえ、1本の山桜でいい、咲き残ってわたしたちを待っていてくれたなら…
わたしたちは、初めて訪れる吉野の里に想いを馳せていました。

柿の葉寿司を購入して近鉄奈良駅へ
吉野の旅は次回へ続きます。


☆南円堂と北円堂の美しい仏像たちの姿を写真に撮れないので、興味のある方はこちらをどうぞ。

ふたたびの奈良
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コメント

いまふたたびの母娘旅ですね♪

しーちゃん こちらのアップ楽しみにしていましたよ。

本当に気持ちの良い素敵なお天気でしたね。
お二人の奈良への思い、仏像への優しい思慕、良いですね。
いつもお二人の気持ちや想いがピッタシカンカンで羨ましいなって思いながら読ませてもらいましたよ。
しーちゃんの写真からも素敵な旅されたのが一杯伝わってきます。
私、長らく興福寺へ行ってませんが、行ってみたくなってしまいました(笑)

続きの吉野も凄く楽しみにしていますよ。
しーちゃん達が吉野へ行ったと聞いたときは、びっくりでした。
なんと言っても吉野は私の父の故郷でもあるんですから。
と言ってもしーちゃん達が行った吉野山よりもっと山奥の田舎ですけど、吉野山へは何度も行ってるんですよ。
楽しみです♪

お千賀さん #JalddpaA | URL | 2013/05/24 21:46 - edit

ちかちゃんへ

ちかちゃん、こんばんは(*^_^*)
早速、読んでいただいてコメントありがとうございます。
長くて、長くて(笑)ごめんなさいね。思い入れが強いと長くなってしまうんです。
次のも長いですが、良かったらご覧くださいね。

吉野は、とってもいい所でした。もう一度、行ってみたいと思っています。
わたしたちは、旅人。何も判らないまま、ほんの端っこを歩いたにすぎません。
でも、1度行くと、地理とかも頭に入ってくるようになりますね。
ちかちゃんのお父さんの故郷にも行ってみたいと思います。

わたしは、やっぱり田舎の雰囲気がとっても好きなんだとつくづく思いました。

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2013/05/26 00:32 - edit

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