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風立ちぬ

日々の想いを風に乗せて…

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静寂の時 

三千院で、思いがけず二人だけの静寂の時を持たせていただいた。
これも、めぐり合わせの妙、あるいは必然だったのか、なんとなく導かれて今ここに
来れたような不思議な感覚のまま、わたしたちは、三千院の門を出て参道を進んで行った。

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広い石畳の道を歩いて行くと、実光院、勝林院、宝泉院と、徒歩10分内の圏内に続いている。
わたしたちは、まず突き当りの勝林院へと向かった。

また、勝林院のポスターが目に留まった。なんとなく背筋がピンと伸びる心地がする。

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やがて行く手に、とても古くて大きな茅葺屋根のお寺が見えてきた。
入り口に小さな受付所があるのだが誰もいない。しばらく待っていると、庭仕事をしていた
年配の方が、『お待たせしました。』と、やってきた。
帽子をかぶり、腕に黒い手甲をはめた、いかにも働き者らしい小柄な方だった。
『ご朱印帳はお預けいただければ、お帰りまでにお書きしておきます。』と、
丁寧な対応が、誠実そうなお人柄を偲ばせた。わたしは、その方を一目見た時から
父の面影がダブって仕方がなかった。行きずりの人なのに、何故かなぁ…
その方は、『どうぞ、ごゆっくりご参拝ください。』と、見送ってくれた。

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何人かの方が見学しているのが見えた。とても大きな建物で圧倒されるのだが、
杮葺の屋根のせいだろうか、とても素朴で優しげに迎えてくれているように思えるのだった。
やはり、このお寺の予備知識は何もなかったのだが、長和2年(1013)建立した寺院で、安永7年(1773)
に再建され、屋根は杮葺き、柱、床板はすべて欅だそうだ。

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障子の影から、阿弥陀様が垣間見れた。物凄く大きい!!迫力あるお姿だった。
堂内も広くて、ゆっくり参拝することが出来た。
阿弥陀如来は、金色の姿で美しく神々しく、心の中が安らかになれる気がした。
本当に静かな空間を、心置きなく共有できることに感謝したのだった。

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とても手の込んだ透かし彫りと言う彫刻。立体感があって素晴らしい。

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鐘楼のハート型が、かわいいとアイリス(*^_^*)

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庭に残った薄雪が綺麗

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石畳の道と、緩やかに下る坂道の階段が情緒あるなぁ。

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続いては、勝林院の東隣にある、宝泉院へと足を運んだ。
こちらのお寺は、平安時代に建立されたお寺で、樹齢700年の五葉松の巨木や、お部屋の柱と柱の
間を額縁に見立てて、鑑賞する『額縁庭園』があることでも有名なお寺だ。

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入り口から見た五葉松の古木。この日は植木屋さんが入って選定中だったが、脚立に乗ったふたりの
植木屋さんによって、綺麗な台形に刈り込まれていく姿に、アイリスと感心しきりで眺めてしまった。

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こちらのお寺は拝観料にお抹茶が組み込まれていて、抹茶をいただきながら庭園を鑑賞できるそうだ。

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門をくぐると、お地蔵様に供えられた柚子の黄色い実が目に鮮やかだった。

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小さな池があって、その池の水面に架かるような、ヒヨドリジョウゴの赤い実が目を引いた。

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池の周りの岩に組み込まれたような不動明王の像

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やはり、こちらでも拝観するのはわたしたちだけのようだ。
『お抹茶をご用意いたしますので、どうぞ、お好きなところにお座りください。』対応に現れた
若い女性は、笑顔が素敵な、とても感じのいい方だった。
「室内の写真は大丈夫ですか?」と尋ねると、『どうぞ、どちらも構いませんよ。』と、
ありがたいお返事だった(*^_^*)v

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まずは、清々しい配色の生け花が目に留まる。
アイリスが好きなお花“ブルーのアイリス”が活けられていた。

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つくばいも良い感じ。ふと、耳を澄ますと、どこからともなく妙なる音色が響いている。

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『あら?水琴窟の音色が聞こえるね。どこにあるのかしら?』アイリスも気づいたらしく、
縁側を歩きながら、音の場所を探していた。やがて、対面の片隅にあるのを見つけたようだ。
『竹筒に耳を当てて聞いてみたけれど、お部屋の中で聞く、微かな音色の方が情緒があるわ。』
と、言っている。うん、うん、同感(*^_^*)

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やがて、先ほどの女性がお抹茶を運んできた。
わたしたちは、他に誰も見学者がいないので、このお部屋の中で一番良いとされているという
場所に席を取ることにした。
前に額縁庭園を見て、後ろには鶴亀庭園を茶室の窓越しに望めるのだと言う。

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本当に額縁の中の、絵を見ているような錯覚に陥るなぁ…

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竹林の向こうには大原の里が垣間見える。
畑を焼く煙だろうか、薄紫にたなびく煙も悪くない。

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そして、背中には、茶室の窓越しに江戸時代の有名な庭師が作ったという名園“鶴亀庭園”が…
ゆっくりと、お茶をいただき、微かな水琴窟の音色に耳を澄ませば、何も言うことはない。

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目を、西に転ずれば、樹齢700年という五葉松の見事な枝ぶりと逞しい幹とが重厚に
存在している。
狭いお庭なのに、居ながらにして森の中へといざなわれていく感じだ。

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すると、不意に、陽射しが強く輝きだした。まるで、後光が射すように五葉松の後ろから光を投げかけた。
冬の午後2時の陽射しは、太陽の位置が低い分、部屋の奥まで伸びてくる。

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あっという間に、広い座敷の奥深くまで、節くれだった五葉松の影が大きく伸びたのだった。

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それは、何とも言えない素晴らしい光景だった。この部屋全体がふわっと宙に浮かび上がったような
そんな錯覚に、ほんの少し眩暈を感じるほどだった。
わたしたちは、言葉もなくただ見とれていたのだった。

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ふと気づくと、賑やかな声がして数組の見学者が部屋に入ってきて、思い思いの場所に座った。

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わたしたちは、それまでに十分満足させていただいたので、そっと退席した。
部屋を出る時には、もう、あの、眩しい午後の陽射しは跡形もなく消えてしまっていた。
本当に、一瞬の出来事なんだなと思った。刹那と言う言葉が浮かんだ。

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別の部屋に活けてあるお花がとっても素晴らしかった。

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漆黒の夜のとばりに、浮き立つような満開の桜と言った趣の屏風。
もしかして、桜の花は夜光貝かしら?

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書も素敵です。

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こちらは、茶室のようですね。

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珍しい石琴、音階もドレミファソラシドでは無いと書かれていた。
「鳴らしたい方は、お申し出てください。」との張り紙にさっそくお願いしてみた。
快く、「どうぞ」とのお返事。

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どんな音なんだろう…ワクワクしながら叩くと、とても細く、澄み渡るような音色。
『あっ!水琴窟の音色…』と、アイリスが目を輝かせたのだった。

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外に出てみると、新しく作られたという石庭があった。
地球が生まれた原始・太鼓の世界から、現代までをモチーフにした石庭とのこと。
なんとなく、なるほどなぁと思えるような気がする。
アイリスは、このお庭が気に入ったようだ。
『この庭を造るために、一生懸命考え、試行錯誤を繰り返し夢を託したのが感じられる。』
のだそうだ。なるほど…新しいものにも心を開くことが出来るんだね。
柔軟で素直な娘の若い感性に感心したのだった。

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『綺麗な幹、すべすべ…』と、アイリスが、幹をそっと撫でた。
「それは、ヒメシャラと言って沙羅双樹の樹よ。夏椿似た、小さな白い花を咲かせるのよ」
樹のことだけは、ちょっぴり教えられるわたしだった。

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午後の光がそっとこぼれる石庭にも、わたしたち二人だけ。
静寂の時が、庭のそこここにうずくまっているような気がした。

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なかなか進まず申し訳ありません。長くなりましたので、不断の桜と淡雪と に続きます。
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コメント

京都~♪

♪大原 さん・ぜん・いん♪ もちろん知ってるよしころんです(笑)

いいなぁ~ お嬢さんとの2人旅。
私も長女が大学卒業の際、2人で訪れた石垣島はいまでもとても心に残っています。
長女や次女と山へも行きたいのですが、「山はいいや~~」断られるばかり・・・

宝泉院さんの額縁庭園、本当にまるで自分が絵の中にいるような、そんな錯覚に陥りそう。
素敵だなぁ。
午後の日差しのなか、ここでお二人だけで過ごされたのは一生の思い出になりそう。

ヒメシャラの樹の向こうに見える白い蕾はミツマタかな♪
春が待ち遠しいね^^

よしころん #lkhMWM3g | URL | 2012/12/27 16:38 - edit

よしころんちゃんへ

よしころんちゃん、こんばんは(*^_^*)
長い、長い、レポを読んでくださってコメントありがとう~ヽ(^。^)ノ
短く、短くって思うのだけれど、やっぱりだらだら長くなってしまいます。

ほんと、この日は、気が付くと二人だけと言う空間がたくさんあって良かったです。
これだけの観光地なのに、ラッキーだよね。
きっと、娘と共に心に残る旅になったと思います。

そして、今年は、春香ちゃんのお陰で2月によしこちゃんとひだまりちゃんに逢ってから、
わたしの山行が大きく変わりました。本当にお世話になりました。
楽しかったです~♪隊長、妹ちゃんたち、来年もよろしくね~(^_-)☆

sizuku #Uldqhfns | URL | 2012/12/28 00:08 - edit

素敵な旅ですね~♪

sizukuさん、こんにちは!

京都の旅、拝見させていただきました。
お嬢様との旅・・・なんて素敵な母と娘なのでしょう!
私は尊敬する母はいますけどね・・・我が家には子供がいないのでホント残念。
私もこんな旅がしてみたかったです。

sizukuさんの言葉の端々にお嬢さんへの愛情がこもっていて、
そして、お嬢様はsizukuさんゆずりの素晴らしい感性の持ち主なのですね!
どうやってお育てになったのかしらん。

写真もどれもこれも素敵です♪
今年はsizukuさんともお友達になって、たくさん刺激をいただきました。
嬉しい幸せな一年でした。来年もどうぞよろしくお願い致しますね(#^.^#)

矢車草 #MH738lGQ | URL | 2012/12/28 10:17 - edit

石琴・沙羅双樹とても素敵なお庭ですね

しいちゃん、師走のお忙しい時に、次々にブログUP、すごいです。
書き込みが間に合わないよ_(_^_)_

静かな京都ですね。紅葉時期は平日でも有り得ないですね。
丁寧に一枚いちまい写真に収めるしいちゃんの姿が目に浮かぶ様です。

その傍らに沿って歩く娘さん。マーガレットさんは本当に穏やかで感性のあるお嬢さんですね。
(うちは趣味も感性もまるで違いますよ~)

石琴、素敵な音色でしょう。初めて見ました。水琴窟のあの優しい音に似ているですね。
水琴窟もなかなかありませんが、成田山の書道美術館前にあって、お参りに行くとよってきます。

沙羅双樹の木、これがそうなのですね。(メモメモ)

はるか #mauyLjdI | URL | 2012/12/28 11:25 - edit

矢車草さんへ

矢車草さん、こんばんは(*^_^*)
長いレポをご覧くださいましてありがとうございます。
そうですね。娘との旅は、趣味が似ているので、楽しいです。
女同士の楽しさもありますね。矢車草さんは、妹さんがいらっしゃいましたね。
妹さんとの旅もきっと楽しいのではないでしょうか?今はお互いお忙しいでしょうけれど、
年齢を重ねた時、姉妹っていいなぁと思います。わたしは弟だけなので、
娘を持つことが出来てありがたいなと思っています。

矢車草さんは、相棒さんと、ピッタリの相性のようにお見受けします~(^_-)v
そして、最強コンビですよね。お二人でこれからも素晴らしい山行を続けてくださいね。
わたしも今年は、若々しくて可愛らしい矢車草さんとブログを通じてお友達になれて嬉しいです。
家もわりと近そうですから、来年はどこかでお逢い出来たら嬉しいです。
わたしこそ、来年も、どうぞ、よろしくお願いいたしま~す(^o^)/

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2012/12/28 18:42 - edit

はるかちゃんへ

はるかちゃん、いつも読んでくださってありがとう(*^_^*)
はるかちゃんとは、感じ方が似てるから、きっと、『うん、うん!!』と、うなづきながら
読んでくれてるんだろなと思えます。コメントは気にしないでね~♪
娘(アイリスのほうだよ)(笑)マーガレットは子育て中なので、今は一緒出来なくて、
いつも、アイリスとばかりだから悪いなぁと思っています。
だけど、マーガレットは、自分が出来ない分、妹のアイリスが、母親孝行してくれて
良かったと思ってくれているみたいです。
いつか、てっちゃん、しょうちゃんが大きくなったら、昔のように母娘三人旅が出来たらいいなと思います。
それまで、わたしも元気でいないとね(笑)

はるかちゃん、今年は、特別お世話になって、本当にありがとう。
はるかちゃんのお陰で、よしころんちゃんとひだまりちゃんに出逢えたよ(*^_^*)v
わたしにとって、若草女子会の友情は宝物だよ。来年も、いっぱい、いっぱい、よろしくね(^_-)☆

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2012/12/28 18:56 - edit

No title

宝泉院も独り占め出来て、額縁庭園の写真も誰もいなくて、素敵に撮れていますね。
陽が差し込んで、素晴らしい光景に遭遇できたんですね。
しーちゃん母娘への神様のプレゼントかな(*^_^*)

お千賀さん #JalddpaA | URL | 2012/12/29 01:08 - edit

No title

おはようございます!
憧れの京都に娘さんとご一緒に旅に出られ・・・
静寂の時を過す事ができて、本当によかったですね。
私も4年前に行っていますが、写真を撮るのに最高の所ですよね!
ひとつひとつの写真から、sizukuさんの素直な思いが凝縮され、
とても楽しく過すことができました。ありがとうございます。
来年もよろしくお願いいたします。  

   

こつこつ #- | URL | 2012/12/29 08:27 - edit

No title

薄雪の残る大原、お嬢さんと素敵なふたり旅になりましたね。
趣味が似ていると同じ感動を共有出来て嬉しさも倍になりますね。
また御朱印も記帳して頂くとお寺さんの印象も深く残りますね。

私も一度、熊野路を娘と旅をしたことがありますが、いい思い出になっています。
京都は娘が下宿していた頃何度か行きましたが、拝見してまた出かけてみたくなっています。
そうそう、花巻も行きたい!(帰りたい^^:)です♪

akko #n.R1x1CA | URL | 2012/12/29 11:24 - edit

ちかちゃんへ

ちかちゃん、こちらにもコメントありがとう(*^_^*)
本当に、こんなにラッキーでいいのかしら?って思うくらいのシチュエーションでしたよ。
しかも、なんと、実光院でも、ほぼ二人占めでしたよ。
今回の旅、瑠璃光院が拝観できない事を、ちかちゃんに教えてもらったおかげですね。
もし、教えてもらっていなかったら、きっと大原には行けなかったです。
ちかちゃん、本当にありがとう(*^_^*)v

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2012/12/29 19:03 - edit

こつこつさんへ

こつこつさん、こんばんは(*^_^*)
コメントいただきありがとうございます。本当に京都は味わい深い所ですね。
他にも行きたいところもあるのですが、娘ともども、また行きたくなっています。
こつこつさんも、四年前にいらっしゃったのですね。拙い写真ですが楽しんでいただけましたら幸いです。
今年は、こつこつさんともお知り合いになれ、嬉しい年となりました。
いよいよ、残り少なくなってきましたね。どうぞ、良いお年をお迎えください。
そして、また、来年も、お話させていただけますよう、どうぞ、よろしくお願いします<m(__)m>

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2012/12/29 19:11 - edit

akkoさんへ

akkoさん、ご覧いただきましてコメントありがとうございます。
akkoさんのお嬢さんは、京都に下宿なさっていたのですね。
akkoさんも、お嬢さんも、きっとたくさんの馴染みの場所がおありでしょうね。
京都は、良いですね~♪わたしたちもすっかり気に入ってしまってリピーターになりそうです。

そうですね。ご朱印帳、akkoさんに教えていただきましたお陰で、お寺を回る楽しみも倍増です。
みなさん、達筆で、その筆運びにじっと見入ってしまいますよね。
でも、今回、御岳山のご朱印帳を忘れてしまって、三千院で購入しました^_^;

熊野古道も良いですね。わたしたちもいつか行きたいと思っています。
そうそう、花巻も…akkoさんはふるさとですものね。ぜひ、帰ってきてくださいね。
ああ、賢治さんゆかりのイギリス海岸にもう一度行きたいです。

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2012/12/29 19:20 - edit

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