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風立ちぬ

日々の想いを風に乗せて…

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入日に見送られて 

林道の入り口から、1時間30分、目指す名栗沢が見えてきました。
この林道沿いで、とても好きな場所です。
遥か下の谷を流れる日原本流の水音が遠く響いています。
この場所だけ、切り開かれたように草地の斜面があります。
そんな場所に、名の無い二本の巨木があります。

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わたしは、この樹に名前を付けました。
初めて見た日、初冬の山々は葉を落とし、寒々とした風景でした。
どんよりと曇った空から、不意に粉雪が舞い始めました。

辺り一面、真っ白な粉雪が音もなく舞い、スノードームの中にいるような気がしました。
その中で、モミの巨木が、まるで北欧の森に佇んでいるようで、“雪降りのモミ”って
名付けました。今日は午後の陽射しの中で輝いていますね。

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そして、もう一本の巨木はトチノキです。わたしが、この樹の存在に気付いたのは、
5月のある日…真っ白な、そう真っ白な花が、天を向いて上り詰めるように咲いていました。
こんもりと白い花に包まれた巨樹に見えました。“花咲のトチノキ”そんな言葉が浮かんで名づけました。

今日は美しい黄葉のトチノキでした。

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西日を受けて黄金色に燃えているようです。
わたしは、トチノキのこんなに美しい黄葉を今まで見たことがなかったのでした。
本当に綺麗です。こんなにも葉を繁らせ、春にはたくさんの花をつける巨樹ですが
急斜面を降りて、この樹の裏側を見た時、わたしはあっと、息を呑んだのでした。
その太い幹には深い亀裂が入り、中は大きな空洞になっているのです。

こんなにも旺盛な姿を保つ巨樹が空洞だなんて…
それは、生き抜くために樹が自ら選択した姿なのだそうです。
巨樹は、時には、自らその太い枝さえも落とすのだと言います。そうやって何百年と
生き延びる…自然の営みの神秘や偉大さを垣間見た想いになります。

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そして、後しばらく登ったところに、名栗沢と言う小さな沢があり、そこの斜面には
“名栗沢のトチノキ”と“名栗沢のイロハカエデという、二本の巨樹が君臨しています。

こちらが、名栗沢のトチノキです。先ほどの“花咲のトチノキ”は、あんなにも素晴らしい
黄葉の姿でしたが、こちらのトチノキはすっかり葉を落としていました。
日照条件などもあるのでしょうが、見事に葉を落としてしまった姿に、何だか生き急いでいる
ような気がしてしまって、ちょっとしんみりしてしまいました。

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でも、見てください、この幹の逞しい姿。斜度45度はありそうな急斜面に根を張り
巨体をぐーんとそりあがるような姿勢でまっすぐに天を目指しています。

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美しく力強いその根元に登りあげ、この幹にぶら下がったり、ぎゅーっと抱きつき
たかったのですが、安曇野さんが下で待っていますし痛めた膝も、急斜面にはまだ
不安もあったので、今日のところは諦めました。
でも、次回の女子会の時にはみんなでハグするからね(*^_^*)

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そして、名栗沢を挟んだ反対側の斜面には、優美な立ち姿の“名栗沢のイロハカエデ”
トチノキが男性的であるのに対してイロハカエデは女性的で優美な姿をしています。
でも、斜面を登りあげ根元に立った時、その逞しい樹形に息を呑みます。

急斜面に生える巨樹の特徴として、その背筋は素晴らしく発達しているのです。
斜め上空へ立ち上がったその姿は、本当に龍のようなんです。
この幹に寄りかかり林道を見下ろせば、思わずこんな歌をくちづさんでしまいます。
♪銀の龍の背に乗って♪この歌詞が、ホントいいんですよね。

(この写真の右側の、こんもりした緑の枝が名栗沢のイロハカエデです。)
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 あの青ざめた海のかなたで
 今まさに誰かが痛んでいる
 まだ飛べない雛(ヒナ)たちみたいに
 僕はこの非力(ヒリキ)を嘆(ナゲ)いている

 急げ悲しみ 翼に変われ
 急げ傷跡 羅針盤(ラシンバン)になれ
 まだ飛べない雛たちみたいに
 僕はこの非力を嘆いている

 夢が迎えに来てくれるまで
 震(フル)えて待っているだけだった昨日
 明日(アシタ)僕は龍の足元へ
 崖(ガケ)を登り 呼ぶよ 「さあ、ゆこうぜ」

 銀の龍の背に乗って
 届けに行こう 命の砂漠へ
 銀の龍の背に乗って
 運んでゆこう 雨雲の渦を

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林道沿いのイロハカエデも色づき始めています。

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日陰名栗沢方面の稜線も錦秋間際ですね。

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不意に、頭上をカラの混群が渡って行きます。
カエデの枝に降り立ち、囀り交わします。色づいた葉に見え隠れする小鳥たち
良い眺めです。ヒガラ、シジュウカラ、ヤマガラ、そして、愛くるしいエナガたち。
くるくると動き回る小鳥たちですが、珍しく写真に撮ることが出来ました。
かわいらしい、エナガさんです。

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金色に輝く葉は、シオジ?それとも、???

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そして、チドリノキの小枝にぶら下がっているのは、ヤシャブシの実です。

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入日は遠くの山肌を越えて、山の端から最後の光を投げかけています。

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木々の葉が緑のシルエットとなって、うっとりするほど美しい。
きっと、こんな光景は一期一会。そっと心に刻みます。

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でも、急速に陰りゆく谷…秋の日はつるべ落としですね。急いで下山しましょう。
後ろ髪をひかれつつ、入日に見送られ、わたしたちは山を下りました。

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日原の山は、これから彩りを深めていきます。
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category: 森・山

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コメント

おはようございます。

名栗沢・渓物語をゆっくり拝見させていただきました。
黄葉が美しい渓谷・・・そびえる巨樹・・・見ごたえがありますね。
巨樹が生き続けるために空洞にしたり枝を落とす話は興味深い内容です。

秋色一色の写真の数々楽しませて頂きました。



keykun #Z4cD5ATI | URL | 2012/11/10 06:05 - edit

美しい木々の佇まい。すばらしいの一言です。一枚一枚が一幅の絵になっています。うーんと唸りました。見いだした人にしか見せない光景に感じます。

nitta245 #- | URL | 2012/11/10 20:31 - edit

お疲れ様でした♪

お姉ちゃま、奥多摩遠足お疲れ様でした。
雨は大丈夫だったかな。きっと楽しい2日間だったことでしょう。

そして巨樹の下見もどうもありがとう^^
たくさんの巨樹達、会ってハグするのが今から楽しみです♪

急げ悲しみ 翼に変われ
急げ傷跡 羅針盤(ラシンバン)になれ

この歌詞には私自身とても救われた思い出の曲です。

よしころん #- | URL | 2012/11/11 19:08 - edit

keykunさんへ

keykunさん、こんばんは(*^_^*)
コメントありがとうございます。お返事が遅くなりすみません。
奥多摩分校の遠足が楽しくて、力を使い果たしてました(笑)
keykunさんは、体調を崩されてしまったそうですが、いかがですか?
こんど、ぜひ、奥多摩にもお越しくださいね。
たくさんの巨樹たちに逢っていただきたいなぁと思います。
Keykunは、どんな感想を持たれるのでしょう。

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2012/11/12 22:50 - edit

nitta245さんへ

nitta245さん、コメントありがとうございます。
一枚一枚が一幅の絵になっているなんて、素晴らしい言葉をいただき
とても嬉しいです。なんせ、あまり写真を誉められた事がないものですから。

見いだした人にしか見せない光景、とても奥が深い言葉ですね。
何だか考えさせられました。
そんな光景を見出せるよう、こころを開いて生きていたいです。

sizuku #lag0OiGQ | URL | 2012/11/12 22:58 - edit

よしころんちゃんへ

よしころんちゃん、コメントありがとう(^_-)
当日も晴れ晴れメールありがとうね(*^_^*)
お蔭で、何とかお天気持ちましたよ。最後の最後で、雨が本降りと
なりましたが、みなさん、しっかり雨具の用意もされていたから
問題なくゴールとなりました。
紅葉も、ジャストと言う感じで、素晴らしかった~(*^_^*)
これが、今日のような晴天だったらなぁ…と、思いますが
みなさんのパワーで、楽しい楽しい遠足でした。
帰りに、みなさんをお見送りしたら、一気に寂しくなりました。
でも、来月には若草女子会があるから、嬉しいです。
巨樹たちもきっと、待っていてくれると思います。
今度は落葉して明るくなった森で、落ち葉をガサガサ、シャクシャク
踏んで思いっきり、楽しもうね~♪

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2012/11/13 00:52 - edit

雪降りのモミ

sizukuさん、おはようございます。♪
奥多摩秋の遠足ではたいへんお世話になりました。(=^0^=)/
自然の中に生きる巨樹・巨木を見て浮かんでくる樹の名前、とってもd(-。∂)good!!なネーミングです。
奥多摩の自然よいつまでも~。
再開する楽しみもありますね。(^^)/

クロちゃん #QfAHIh9c | URL | 2012/11/14 06:09 - edit

巨木巡りが今から楽しみ♡

秋の遠足はいかがでしたか??
雨はどうにか待ってくれたようで、楽しかったんだろうな~と想像してます。
この写真を見て巨木巡りがまたまた楽しみになりました。
下見、ありがとうございます♡
こちらではもう雪がちらちらし始め、紅葉もほぼ終わったので、
お姉ちゃんたちのブログでこれから紅葉楽しませてもらいま~す(^◇^)

hidamari #- | URL | 2012/11/14 21:47 - edit

クロちゃんへ

クロちゃん、遠足では大変お世話になりました。
お蔭様で、とっても楽しかったです。ありがとうございました。
また、ぜひ、奥多摩にもお越しくださいね(*^_^*)
巨樹の名前は、独断と偏見ですね(笑)
日原の巨樹友は、まだ、未登録の巨樹を見つけた時には、
見つけた人に命名権がありますよ。とおっしゃいます。
いつか、未知の巨樹を探してみたいです。

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2012/11/15 21:56 - edit

ひだまりちゃんへ

ひだまりちゃん、こんばんは(*^_^*)
そうそう、みなさんの晴れパワーのお蔭で最後の最後まで、
雨は大丈夫でしたよ。ありがとうね~(*^_^*)
みなさんと和気あいあいの楽しい遠足でした。

次はひだまりちゃんたちとだね~♪
わたしも、今からすごく楽しみです。
よろしくね~(*^_^*)v

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2012/11/15 22:01 - edit

威厳を感じますね~

巨木って生きてきた歴史というか
私より、ずっとずっと年上なんだな~~~って思うと
敬意を払わなきゃって気になってしまいます。
私もトチノキに抱きついちゃうかも…
色とりどりの秋の山ですが
今年は夏の渇水で木の実が少なくクマが里へ下りてくる頻度が
高いそうです。
丹沢ではクマの生息数は30頭前後だそうで
レッドデータブックのⅠ類に指定されています。
奥多摩はとっても自然が豊かに感じるけど、山の生き物には
暮らしづらくなっているのでしょうか?
見た目通りの豊かな山であって欲しいです。

なみちゃん #- | URL | 2012/11/15 23:11 - edit

なみちゃんへ

なみちゃん、コメントありがとう(*^_^*)
巨樹って、本当に生命力に満ちていますね。
里や町の巨樹と、山にある巨樹とは趣がまるで違うのですよ。
山に育った野生の巨木たちは、急斜面や、日照時間が少ない谷で育った樹ほど
個性的な樹形をしています。それは、厳しい環境に対応した形なんです。
いつか、山の木を見に来てくださいね。なみちゃんならきっと感動してくださると思います。
祖の巨樹との出逢いが、早朝の光や夕映えの光の中だったりすると、
巨樹は、なおさらいろんな表情を見せてくれるんです。
日原にもクマやカモシカやサル、シカなど、動物たちが生息しています。
山に住む動物たちの食べ物が豊富であることを祈りたいですね。

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2012/11/16 02:00 - edit

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