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風立ちぬ

日々の想いを風に乗せて…

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晩秋の渡良瀬を歩く 

11月23日、娘との旅の初日は、渡良瀬渓谷沿いに車を走らせ
シャロムの森を歩き、シャロムの樹に逢おうと計画にした。
アイリスは、快適に高速を走り抜け伊勢崎のICを降りた。
伊勢崎は畑が広がり、空がとっても大きく見える街。
大きな屋敷林の影に、ひっそりと佇む昔ながらの農家や、
街道沿いの古い街並みなんかを眺めていると懐かしく思えてくるのだった。

やがて行く手に、わたらせ渓谷鉄道の大間々駅が見えてきた。
この駅に車を止めて、わたらせ渓谷鉄道のプチ旅を楽しむこともできるらしい。
それもいいなぁ…と、ちょっと心が動いたが、シャロムの森の管理人さんに
電話をかけると、寄り道をしないでまっすぐに来て下さいとのこと。
心を残しつつ、通過した。
「でも、ちょっとだけ、寄り道しようよ。」というチョイ悪提案で、
アイリスは、『じゃぁ、ちょっとだけね。』と、“神戸駅”に立ち寄ってくれた。

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小さな草花の鉢植えが並べられた懐かしい駅。真っ赤なサルビアの花も
低いホームも、古い駅舎も、ほのぼのと晩秋の日だまりの中で温もっていた。

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緩やかにカーブしながら続く鉄路と枕木の色合いがすっごくいいなぁと思う。
信号機の形が好きだなぁ…心の中で呟く、カンカンカンと鳴らないかな…
わずかに残った紅葉が風にざわめいていた。

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二両だけの客車が幻のように現れて、ゆっくりとホームに向かってくる。

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あずき色の車体が、周りの景色に和んで見える。

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わずかな煙を吐きながら、列車がホームを離れ、旅の続きが始まる。
いつか絶対にこの列車に乗って旅をして見たいと思う。
『おかあさん、次回は乗ろうよ。また連れて来てあげるよ。』
と、アイリスが慰めるように笑顔を向けてくれた。

次の立ち寄り場所は、草木湖。
ここには、富広美術館もあるのだけれど、数枚写真を撮っただけでパスした。

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抜けるように青い空を映して、湖は青くさざ波が光っていた。
散り残った楓が陽に輝いて、その影をくっきりと地面に写していた。

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ここからは、沢入りの駅を目指し、黒坂の森バンガロー方面へと林道を進む。
もう、森はひっそりと誰もいなくて、楓だけが秋の名残りを精一杯に語っていた。

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瀬音を聞きながら…

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『寂しすぎる~^_^;このまま、どこまで行くの?誰もいないよ。』
アイリスが、不安そうに呟いた頃、やっとシャロムの森に着いた。
管理棟に出向き、インターホンを押す。すると、中から管理人さんの声がした、
『今朝、お電話された方ですね。1階の方に回ってください。』

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わたしたちは、1階の管理室で、地図を渡され管理人さんの説明を受けた。
『今、太陽の出ている真下ぐらいにシャロムの樹があります。
大体、この沢沿いに道がつづいていますが、途中、ちょっと崩れやすい箇所があるので気をつけてください。
まぁ、大体、30分~40分ぐらいで着くと思いますよ。』
わたしたちは、お礼を言って地図を片手に出発した。
『お母さんと娘さんですか?きっと、良い思い出になりますよ!』
そう言って管理人さんは笑顔で見送ってくれた。

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『おかあさん、誰もいないね…この地図、よく分からないね。』と、アイリス。
「大丈夫、沢沿いに行けばいいのよ。」と、お気楽なわたし。
ところが、こちらだと、確信して歩いていった沢沿いの道は途中で行き止まり、
「あれ?おかしいなぁ?こっちじゃなかったのかな?」
『さっきの広いほうの道じゃない?』と言うことで、もう一方の道を登り始めた。
道は明瞭なんだけれど、どんどん高度を上げて行く。しかも沢から離れて行く。

やっぱりおかしい。と言うことで引き返し、最初の道をもう一度探してみた。
もう一本の道を見つけたが、こちらは木の枝で塞いであって通れないようだ。
『やっぱり、最初の道でいいのかも?』「うん、それしかないみたいだね。」
と言うことで、もう一度登りなおすことに(汗)
すると、森の中から、わんこが現われた。

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シャロムの森のワンちゃんのルイちゃんだった。
ルイちゃんは、アイリスの側に寄って行ってしっぽを振った。
「大丈夫よ。人懐っこいわんこだから。」と言うと
アイリスは、ちょっと、不安そうな^_^;をしたが、
恐々、ルイの頭を撫ぜてやった。

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楓だけが明るい晩秋の森を、ルイちゃんは、道案内でもするように、
振り返り、振り返りしながら、先立ちになって山道を登っていく。
「もしかしたら、ルイちゃんが、シャロムの樹に連れて行ってくれるかも」
と、わたしたちは淡い期待を胸に上って行った。

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だけど、道は、どんどんと高度をあげ、沢からずっと離れてしまったように思えた。
ちょうど、この辺りで後から上ってきた男女二人の方が追いついてこられた。
『この道でいいんでしょうか?』と、女性の方が尋ねられた。
「はい、わたしたちも、違うような気がしてるんですけれど…」
男性は地図を見ながら、たぶん大丈夫と思うんですが…と、言った。

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旅は道連れということで、ご一緒することに。
だいぶ高度が上がったところで、今度は一気に下り始める。
よし、コレで、沢に行き当たれば間違いないだろうと思ったが小さな沢に出会ったあと
またまた行き止まりになってしまった。

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『おかしいなぁ?ボク、ちょっと偵察してきます。』若い男性はザックを下すと
急斜面の沢を登り始めた。ルイは、さっさと先立ちになって登っていく。
やがて、男性は降りてきて『やはり、違うみたいです。』と言った。
そのあと、このお二人は、行き止まりの尾根を登って行って見ると言った。

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すでに、2時を過ぎてしまったので、わたしたちはここで引き返すことにした。
「ありがとうございました。シャロムの樹に逢えるといいですね!」
『ありがとうございます。それじゃ、行ってきます!』
笑顔で、そんな挨拶を交わし、ひと時、一緒に歩いた若者たちとお別れし
わたしたちは、また、二人になった。ルイはどこかに行ってしまったようだ。
きっと、あの二人に着いて行ったのかもしれない。

『おかあさん、あの人たち、シャロムの樹に逢えるといいね。』と、
二人の人が見えなくなるまで見送って、アイリスがポツンと言った。
「そうだね。健闘を祈ろうね。アイリスごめんね。せっかく来てくれたのに
結局辿り着けなくて、不完全燃焼だよね。」
『いいよ。そういう事もあるよ。こんな景色見れただけでも良かったよ。』

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葉を落とした木々の間から、谷を俯瞰してアイリスが呟いた。
午後の陽射しが、山を回ってちょうど谷の紅葉を照らしたところだった。
わたしたちが降りる道筋には、もう、所々にしか残っていないハウチワカエデが
燃えているようにチラチラと風にそよいでいた。

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落ち葉が降り積もった道を、滑りながらわたしたちは降りていく。
すると、どこからともなく凄い勢いでルイが降りてきた。
『あれ?あの人たちと一緒に行ったんじゃなかったの?』とアイリスが
嬉しそうに笑顔を向けた。

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ルイは、あちこち寄り道をしながら、着いて来た。
時々、じっと、谷を覗き込んだり、樹の上を眺めたり、
そのうち、樹にも登ろうとしていた。
「きっと、リスでもいるのかな?それともどんぐり好きな、ねずみかな?」
『え~!リスがいい(笑)』
なんてね(^_^)どこかで聞いた会話だね。

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それにしても、ルイちゃんは、野生児だね。
樹に登っているよ(笑)

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もう、一年近く日原の巨樹探しもしていなかったので、
スッカリ巨樹センサーが働かなくなってしまったみたい。
今日は、シャロムの樹に逢う事は叶わなかった。
『でも、いつでも逢えるとは限らないんだよ。』
またまた、となりのトトロのさつきとめいのお父さんのフレーズが蘇る。
そうだよね。また来ます。

帰り道、川沿いのオオカエデが午後の陽射しに輝いて見送ってくれた。

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そして、プチ鉄のわたしのためにアイリスは沢入の駅に立ち寄ってくれた。
でも次の列車は、3時50分、まだ40分以上あるから待つことはできない。
わたしたちは、急いで無人駅のホームへと入った。
ひっそりとしたホームの中程に懐かしい待合所がある。

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彼方へと延びる線路…山々に囲まれた駅は早くも夕暮れ時を迎えていた。
哀愁が漂う山の駅に、二両だけの列車が入ってくる。
ぼんやりと点るライトが、薄暗がりに浮かび上がる…車窓にも温かそうな灯りが燈る
いいだろうなぁ、そんなシチュエーション。撮ってみたいなと思う。

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楓とドウダンツツジが、赤と朱と紅を競っていた。

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何だか、ホームの向こう側に、おびただしい楓があるようだ。
線路を越えて行ってみると、川まで遊歩道が続いている。

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枝垂れかかるような楓林が続き、緋色のトンネルのように見える。
「ちょっとだけ行ってみようか?」わたしたちは頷きあって遊歩道へと進んだ。

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川は碧く澄んでいる。楓の赤が映えて綺麗だった。
朝ならまた格別の美しさだろう。

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今を盛りの楓…ため息が出るくらい美しかった。
「アイリス、ありがとう。立ち寄ってくれて、もう十分に満足よ」
『ほんと、綺麗だったね!降りて良かったね。車で通り過ぎてしまったら判らなかったものね。』
「さぁ、出発しようか!」
『うん、今度はまっすぐにホテルまで!!』
アイリスは、真剣な眼差しで、初めての道を一路日光へ向かい車を走らせた。
そして鬼怒川温泉に着いたのはちょうど5時だった。アイリス、お疲れさま(*^_^*)


≪追記≫
帰りに管理人さんはお留守だったので、後日お礼のメールを入れた。
辿り着くことが出来なかったという報告に、管理人さんは驚いて返信をくださった。
「メールを読んで驚きました。でも、もう少しの所だったのですよ。
お二人が辿り着いたあの沢から、数100メートルほどの所に大カツラがあるのです。
後続の男女の方は、その後、シャロムの樹に辿り着いて戻ってこられました。
次回、いらっしゃる時にはメールをください。シャロムの森が新緑に染まる頃
そう、大カツラにハート型のかわいい葉がそよぐ頃、いらっしゃいませんか?
何とか時間を作りご案内いたします。もちろん冬の静かな森も素敵です。
いつでもお待ちしておりますよ。」
なんて温かなメールだったことだろう。
辿り着けなかったからこそ、森と渓を愛し、シャロムの森に住む人の温かさに触れることが出来た気がした。

そして、あのお二人がシャロムの樹に辿り着けて本当に良かったと思った。
さっそく、アイリスに報告すると、『あの人たち辿り着けたんだね♪良かったね。』
と、嬉しそうな言葉と笑顔が返ってきた。
もし、もう一度、アイリスとあの森に行く機会があったなら、こんどこそ
二人一緒にあのシャロムの樹に出逢えそうな気がする。
そして、その時は、きっと、すごく感動することだろう。


長くなってしまいました。読んでくださった方、ありがとうございます。
(早朝の日光へに続きます。)

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category: 森・山

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コメント

しいちゃん、シャルムの樹に辿り着かなくて、残念でしたね。ちょっとセンサーが鈍っていたのかな。
しいちゃんは動物的な感覚を持っているのなあ(*^_^*)

ルイちゃんはかわいいですね。木から覗いている姿が、とっても愛らしく撮れていますね。
自然の中でのびのびと、恵まれたイヌちゃんですね。

日光も楽しみです\(^o^)/

はるか #- | URL | 2011/12/19 01:05 - edit

はるかちゃんへ

はるかちゃん、読んでいただいてコメントありがとうございます(^^♪
そうなの、何となくこの向こう側にありそうな気がしましたが、
タイムリミットが迫ってましたので引き返しました。
この日はことごとく道が行き止まりになってしまって、
何だか迷路に迷い込んだ気がしました。
次回、リベンジする機会があるといいのですけれどね。

ルイちゃんは、かわいかったです(*^_^*)
わたしが子どもの頃に飼っていたワンコと良く似ていて
一緒に歩けて楽しかったです。
樹に登って幹の間からこちらを見てるのが熊のようで笑えました。
いまどき、自由に森の中を走りまわれて幸せなワンコですよね。

日光、また、長くなりますが、楽しみにしていてくださいね~(笑)

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2011/12/19 23:37 - edit

しーちゃん シャロムの樹は残念だったけど途中でご一緒したお二人が逢えたのは嬉しいことでしたね。
今度はきっと逢えるよって言ってもらってるようですね。
それに晩秋模様のしっとりした素敵な森を娘さんと歩いたこと、わんちゃんも可愛いかったこと、良い思い出になりましたね。
わたらせ渓谷鉄道の神戸駅や沢入の駅のムード、何だかホットするような昔懐かしい駅ですね。 
わたらせ渓谷鉄道の駅、わたしも行ってみたいです。
楓の遊歩道も良いのが見れましたね。
楽しい母娘旅の一日目でしたね。
写真も凄く良い感じに撮れていてシャロムの森や駅の感じが良く伝わってきました。 さすがですね。

お千賀さん #JalddpaA | URL | 2011/12/25 02:23 - edit

ちかちゃんへ

ちかちゃん、コメントありがとう(*^_^*)
わたらせ渓谷鉄道の駅、良い感じでしょ♪
どの駅も無人の駅が多い見たいです。温もりのある駅舎が懐かしさを感じさせます。
駅の中に温泉がある駅もあるとか…
いつか列車の旅もして見たいです。ちかちゃんが近かったら一緒にのんびり旅したいところですね。

シャロムの樹には、逢えなかったけれど、本当にいい思い出が出来ました。
アイリスは、わたしとの旅は、サバイバルだと言います。
マイナーな場所を、たくさん歩かされるからでしょうね(笑)

sizuku #- | URL | 2011/12/26 01:50 - edit

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