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風立ちぬ

日々の想いを風に乗せて…

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すみれ色の風 

山あいの小さな小道を登り上げると、森の中でチゴユリの白い小さな花が揺れていた。
うつむいて咲く目立たない清楚な花だけれど、愛らしくてわたしは好きな花だ。
特に、雨に濡れたチゴユリが好きだけれど、今日のように、
尾根筋を吹いてくる風に絶え間なく揺れている姿も愛おしくなる。

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やがて、杉の枯れ葉に埋もれるようにして、白い小さなスミレが現われる。
花の中心が濃い紫色をしていて、花びらには紫色の細い筋が入る。
ぷっくりとした距と言われる部分も紫色でかわいい。

葉に斑が入る、フイリフモトスミレ
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4つ並んだ花がかわいいね!
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葉に斑の無いタイプ
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そして、同じくらい小さい紫色のスミレが現われる。マキノスミレだ。
小さなスミレだけれど、葉っぱが垂直に立ち上がる特徴があり、
どこかきりりと潔いイメージがする。

斜め後ろから
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横顔と
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木漏れ日の中で咲く姿
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フモトスミレとマキノスミレがいれば…
両種を親とする交雑種のあのスミレ、ミドリミツモリスミレがどこかにいるかもしれない。
わたしは、その幻の花を三年前から探していた。

最初の年は風邪を押して探し回り、翌日から熱を出して寝込んでしまった事もあった。
その時、うわごとのように、「ミドリ・・ミツモリ、ミドリ・・ミツモリ」とつぶやいていたらしい。

なんと、森の中を歩いていたてばまるさんが、事も無げに「あった!」と言った。
慌ててかけよると、こんもりとした大きな株に、蕾が2つ、咲き終わった花殻が1つ。
「これが、ミドリミツモリスミレなのね!」わたしは、座り込んでため息を漏らす。
艶々の緑の葉は、フモトスミレのそれだった。

ミドリミツモリスミレ
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わたしたちは、こいちゃんが見つけたマキノスミレの尾根を少し歩くことにした。
竹林の中の小道を登っていけば、草庵と呼ぶのにふさわしい民家が現われる。
海老茶と黄緑色の楓の新緑が光に透けてうっとりするほど美しい。
こんな古民家で暮らせたら素敵だと思う。

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白壁も緑に染まる
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海老茶と、黄緑のコラボが新鮮。
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わたしたちは、凛々しいマキノスミレやイカリソウをカメラに収め、
シャガの花が群れる谷筋の道を抜け、次の目的地へと向かった。

イカリソウ
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マキノスミレ
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木漏れ日の道を抜け、セリバヒエンソウや、山吹やタンポポが咲き乱れる山の道を行く。

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シロヤマブキ
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セリバヒエンソウ
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ヒメフウロ
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タンポポ
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綿毛がふわふわ♪
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そして、眩しげな、八重咲きの黄色いヤマブキ
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昨年蛍を楽しんだ林道を、どんどんと登り揚げていく、
林道にはニガイチゴやキイチゴ、クサイチゴの白い可憐な花が風に揺れていた。
わたしは、やわらかなベールのように透き通るこの花に心惹かれて止まない…

ニガイチゴ
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ほんのりと赤い花芯が、きれい。
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土手を振り仰ぎ光を散りばめながら、道路にしゃがみこみ谷の緑を映し込みながら、
シャッターを押し続けた。気がつくと、仲間は遙か先をあるいていたりする。
終始、遅れがちになりながら、仲間の後を追いかけていく。

やわらかな花びらと清楚な花姿が、何とも言えず好き…
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いくら、撮っても飽きないのだった。
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クサイチゴ
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やがて、林道の終着点から、登山道へと入っていく。
杉木立の中に、細ぼそと続く登山道は、木洩れ日が時折り落ちてくる森だった。
時折り、綺麗なタチツボスミレが、薄紫の花を風にそよがせている。
ああ、すみれ色の風が吹いているなぁ…やっぱりわたしは、立ち止まってしまう。

タチツボスミレの花色が好き
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群れて咲いても
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木漏れ日に咲いた、小さな一輪にも、すみれ色の風…
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そうそう、綺麗なピンク色のタチツボスミレを見た。
葉っぱの葉脈がちょっと変わっているけれど、ツルタチツボスミレ??

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仲間は、綺麗なフモトスミレや、アケボノスミレを見つけては、わたしを呼んでくれる。
その度に、覗き込み、膝まずいてはカメラを向ける。
アケボノスミレは、その美しい花色に、うっとりさせられる。
なんとも言えないしっとりと落ち着いた深いピンク色…大人びた顔のスミレさん。

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木漏れ日に咲いても
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杉の枯れ葉から、顔を出しても
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ほんとに、美人なスミレさん。
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しばらくは夢中で写真を撮っていると、てばまるさんが、斜面の上のほうから呼んでいる。
『あったよ~!花が咲いてる!』こいちゃんが、急いで駆け寄って驚きと歓びの声をあげる。
『本当だ!ああ、素晴らしい~!!心臓が止まるくらい嬉しい!!』とこいちゃん。
わたしも駆け寄って、歓喜の声をあげてしまった。
なんて、美しく気品があるのだろう!!マキノのあの奥ゆかしい花色と、フモトの愛らしい花姿を併せ持った花。

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こんなに気高い花だとは思っても見なかった。
てばまるさんによれば、交雑種は、みな、花付も良くて、大きな株になるのだという。
でも、大体は、3年程で絶えてしまうのだと言う。
そんな幻の花だからこそ、美しいのかも知れない。

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わたしは、出逢えた事に感謝した。
こいちゃんが、この場所へ案内してくれなければ、逢えなかった。
てばまるさんが、見つけてくれなければ、出逢えなかった。
そして、安曇野さんが、今日、一緒に来てくれなければ、逢えなかったろう。
わたしは、素晴らしい仲間たちに心から感謝したのだった。

帰り路、ヒメレンゲを撮ったり、
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ツクバネウツギを撮ったり、
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ウツギの花を撮ったりしていたら、
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なんでもない斜面を見上げ、てばまるさんが立ち止まっている。
「何か感じるの?」と、わたし。
『うん、道があるなって、思ってね。なんかありそうだなぁ』とてばまるさん。
「じゃぁ、入って見ましょうよ。」と言うことで、すぐさまてばまるさんは登りだした。
そして、すぐに、『あったよ~!』の声。
わたしは、急いで先にいってしまった。こいちゃんと安曇野さんを、携帯電話で呼び戻した。
「てばまるさんが、何か見つけたらしいわよ。戻ってらっしゃいよ。」
『よし、判ったすぐ戻るよ。』

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わたしは、慌てて、てばまるさんの後を追った。
そして、覗き込んでいるスミレを一目見て、「何なのコレ?」と叫んでいた。
後の二人も駆けつけて、わいわい、がやがや、見たことも無いスミレに夢中になった。

『葉の感じはタチツボスミレだけど、距が無いんだよね。』と、てばまるさん。
「ほんとうだ、茎にガクがついていてそこに花が付いてるね。」
『みんな、上を向いて咲いてるなぁ。花の形も変わってる。新種ですか?』とこいちゃん。
安曇野さんは、何が何だか判らない?って、顔をしている。

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てばまるさんは、何となく、どこかで見た気がする。家に帰って調べればきっと判ると思うとの事だった。
そして、その晩、てばまるさんから来たメールには、“ミドリタチツボスミレ”と書かれていた。
タチツボスミレの、突然変異種で、先祖帰りしたスミレだそうだ。
一過性のもので、次の年には元に戻ってしまうそうだが、なんて不思議な出逢いなんだろう。
わたしたちは、心を少年のようにときめかせたまま帰路についたのだった。

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山並みが芽吹きの色に染まり、心地良い風がすみれ色に染まる。
それを柔らかな春の暮れ色が包む林道だった。


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category: 森・山

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コメント

sizukuさん こんにちは。
奥多摩分校のスミレ研究部の初遠足は大成功でしたね。
てばまるさんに顧問を依嘱しておいて本当によかったです。
それにしても2011年の5月5日は記念すべき4M日でしたね。
第一のMは葉っぱがわずかにあった例の場所
第二のMは大株の葉っぱに3個の蕾をてばまるさんが見つけたマキノロード
第三のMはみんなで小躍りした大株で多数の花をてばまるさんが見つけたアケボノ山
第四のMはミドリタチツボさんをてばまるさんが発見したあの林道脇の小道
と、初回のスミレ研究部の遠足は奥多摩分校の歴史に残る遠足でしたね。
あの第三のMMは3回も訪問しちゃいました。
あのMMだけでHPをアップしようかなあ~と思っております(にこにこ)

こいちゃん #mVtElozE | URL | 2011/05/14 18:38 - edit

こいちゃんへ

こんばんは(^^♪
奥多摩分校スミレ研究部、略してスミ研ですね(笑)
てばまるさんは、スゴ腕ですね!!スミレの方が、てばまるさんを呼んでいるかのようです。
あのMMスミレには、3度も逢いにいらっしゃったのですか?
すっかり虜になってしまいましたね。
奥多摩には、まだまだ何かありそうで、何度もあるいてみたいですね。

sizuku #gfnPBuvA | URL | 2011/05/14 23:51 - edit

ミドリミツモリスミレ♪

しーちゃん こいちゃん 念願のミドリミツモリスミレの可愛い可愛い花姿に出会えて良かったですね(^_^)v
お二人がこのスミレを探しておられるのをBBSなどで読ませてもらっていたからお二人の感激、感動された気持ちがすごくわかりましたよ。
おめでとう!!!
ミドリミツモリスミレ、本当に可愛い花色で形も素敵です(^_^)v

お千賀さん #JalddpaA | URL | 2011/05/18 22:21 - edit

ちかちゃんへ

ちかちゃん、ちょっとご無沙汰でごめんなさい<(_ _)>
ちかちゃんのブログも拝見させていただいています。
植物園の花たちが、とても素敵に撮れていて、感心しながら拝見したのですがコメントが送れずごめんね^_^;
ミドリミツモリは、逢えたらいいなぁと思ってましたが、本当に出逢えるとは
思ってもみなかったのでびっくりです。
今回は、てばまるさんとこいちゃんがいたから逢えたような気がします。
わたしだけだったら、きっとまた、憧れのまま終わっていた事でしょう。
本当に、美しい花でした。いっぺんで好きになりましたよ。
また来年の逢瀬を楽しみに、今年の出逢いに感謝しています。

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2011/05/21 00:23 - edit

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