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風立ちぬ

日々の想いを風に乗せて…

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銀杏のお話 

『そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼きをかけた鋼です。
 そして星が一杯です。けれども東の空はもう優しい桔梗の花びらのようにあやしい
底光りをはじめました。
 その明け方の空の下、ひるの鳥でも行かない高い所を鋭い霜のかけらが風に流され
てサラサラサラサラ南の方へ飛んで行きました。
 実にその微かな音が丘の上の一本いちょうの木に聞える位澄み切った明け方です。』

mitake-aki_478.jpg

これは、宮澤賢治の「いちょうのみ」の出だしの文章です。
ほんとうに、澄み切った言葉の綺羅が集まったような、美しい文章で、わたしは、いっぺんで好きになりました。

この文章を読んだ時、わたしは、桔梗の花びらのように底光りをはじめた空の色を感じる事ができました。
そして、明け方の空の下をサラサラサラサラ流れていく鋭い霜のかけらの微かな音が聞こえました。
それは、尾瀬で出逢った大霜の朝の光景でした。

こんな美しい光景を、わたしも、かつて見ていたのだと思いました。
それにしても、あの光景をこんなにも素敵な言葉で描く宮澤賢治と言う人を、どんなに心優しく素晴らしい人だったかと改めて思うのでした。
そして、こんな光景の朝に、燃えるように色づく銀杏の樹を見てみたいと思いました。

未明の朝ではありませんでしたけれど、陽射しに輝く美しい銀杏の樹の黄葉を今年は何度も見ることが出来ました。

mitake-aki_514.jpg

銀杏って本当に美しい樹だと、今年ほど思ったことはありません。
“いちょうのみ”のお話は、おかあさんの銀杏の樹に実った1000人のこどもたち(いちょうの実)が、旅立って行く日の事を綴っています。それぞれの個性を持ったこどもたちが生き生きと夢を語る姿や、旅立ちの不安を語り合う姿が描かれています。

ningyouone_021.jpg


 『そうです。この銀杏の木はお母さんでした。
 今年は千人の黄金(きん)色の子供が生れたのです。
 そして今日こそ子供らがみんな一緒に旅に発つのです。
 お母さんはそれをあんまり悲しんで扇形の黄金の髪の毛を昨日までにみんな落してしまいました。』

そして、黙って見守る、おかあさんの銀杏の樹は、別れの悲しさに、夕べのうちに金色の扇形の髪の毛をみんな散らしてしまいましたと、いう一行の言葉だけで、母の気持ちの全てが描かれているのでした。

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川岸に立つ大きな銀杏の樹が、ハラハラと金色の葉を散らす姿を見たとき、この「いちょうのみ」のお話を思い出して、思わずその樹の下に歩み寄りました。

ningyouone_004.jpg

銀杏の下の小道も、土手も、川岸も、散り敷いた銀杏の葉で埋まっていました。

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さらさらと流れる透き通った浅い川は、青い空の色を映してとても深いブルーです。

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そこに、お日様の光が落ちて、きらきら、きらきら…

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ちいさな銀杏の葉が、流れていきました。

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光を連れて…

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わたしは、そんな光景を見送って、いつまでも川岸に佇みました。

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小さな里山の、小川の岸辺に佇む銀杏の樹でした。

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青空に、映えて…金色の姿が美しかったです。

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category: 里山

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コメント

おお

いちょうに埋もれた木椅子。
参ったなあ。
降参です。

日本人が忘れかけた郷愁を感じるような1枚ですね。

僕が求めている光景があります。

ありがと。

エジちゃん #- | URL | 2009/12/02 22:48 - edit

エジちゃんへ

エジちゃん、こんばんは(*^_^*)
早いですね!書き終わると同時にコメントを頂き、びっくりしました。
いつもご覧いただいてありがとうございます。
たくさん写真はあるのですが、アップがなかなか出来ません。
でも、こうして同じものを感じていただけて嬉しいです。
楽しみに見てくださる方がいるのだと思えば、頑張ってアップしなくちゃなぁなんて(笑)
銀杏の葉に埋もれた小さな木のベンチ…
わたしもお気に入りです。
このベンチに、目に見えない秋の妖精が、そっと、座っているような気がしませんか?

sizuku #- | URL | 2009/12/02 23:19 - edit

いちょうのみ

ここ1週間くらいで、私の住む街の銀杏もすっかり黄葉して、
散歩の足をしばし止めて、見とれています。

宮沢賢治のこの物語、とても切なく、その言葉の美しい旋律には
心打たれますね。

銀杏というと一番に思い出すのが、私の通った高校の銀杏並木のこと。
毎年この時期になると、たくさんの実を落としていました。
通学時にはその何ともいえないかぐわしい??臭いに、
息を止めていたものでした。

その実を野球部の坊主頭部員が毎朝バケツに拾い集めて、
八百屋さんに売りに行き、部費の足しにしていました。

のどかな話ですが、今はそんなことはしていないだろうなあと、
銀杏を見ると、あの並木を思い出します。

はるか #mauyLjdI | URL | 2009/12/04 15:23 - edit

銀杏並木のなかを

 今朝は、銀杏並木を車で走りラッパを学校までおくりました。とちゅうギンナンの香り・・「う~んいい」と、言うと・・・毎日その匂いを嗅いでるラッパは、「くせ~」と、ものの感じ方も違います。落ち葉も滑って危ないと・・・

びるげ #L1ch7n1I | URL | 2009/12/04 16:19 - edit

はるかさんへ

はるかさん、こんばんは(*^_^*)
はるかさんも、「いちょうのみ」ご存知なんですね。
わたしは、あの中で、いちょうのみが、はっか水のことを話す場面に心打たれました。
「ぼくは、はっか水を、水筒に入れたよ。旅の途中で気分が悪くなった時に飲めば良いと、おっかさんがくれたんだ。」と1人のいちょうのみがいうと、もう1人が、寂しそうに「おっかさんは、どうして僕にはくださらないんだろう?」と言います。
すると、「僕のを分けてあげるよ。おっかさんのことを悪く思ったら、あんまり、すまないからね。」と言うところです。
その健気なまでに、やさしいこころに、胸がじーんとしました。
美しいお話ですよね。

わたしも、銀杏並木と言えば、小学校を思い出します。
うふふ、あの匂いもね(*^_^*)
はるかさんの思い出をお聞かせくださってありがとうございます。

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2009/12/05 23:18 - edit

びるげさんへ

びるげさん、こんばんは(*^_^*)
びるげさんも銀杏並木を歩かれたのですね。
本当に綺麗ですよね。
ラッパ君は、臭いって言ってましたか。
わたしも、同じく、苦手です。
でも、それを、宮澤賢治は美しい物語にしたんです。
感性が素晴らしいですね。

sizuku #a8vfL3MM | URL | 2009/12/05 23:21 - edit

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