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風立ちぬ

日々の想いを風に乗せて…

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厳冬の海沢探訪 

大寒波に見舞われた1週間だった。
関東を除くほとんどの地域に雪が降っていた。
東京は雪が降らないだけで、寒さは半端ではなかったが、
大雪の地方のみなさんに比べたら、まだまだマシな方なのだと思う。

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大寒波の底だと言われた1月30日、奥多摩の滝も、
きっと氷結していることだろうと思い出かけて見ることにした。

例によって主人を誘い出すのに一苦労だった。
最初から滝に行くとは言わず、まず、ヤマセミポイントへ。
しばらく橋の上でヤマセミを待ったが、一向に現われない。
痺れを切らした主人を、やんわりと滝へと誘ってみた。

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この時季にしか見れない全面氷結が見られると思うこと。
滝のすぐ下まで車でアプローチできると言うこと。
それほど距離が離れていない所に3つの滝があること。
特に下の二つの滝にはすぐに着けることなど。を強調し
「ちょこっと、滝を見に行って、帰りにもう一度、
ヤマセミポイントに寄ってみましょうよ。
だいたい2時頃に戻れるから、丁度いいはずよ。」(*^_^*)

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と言うことで、車で海沢園地へと向かった。
ここは何度も通った場所だ。わたしのナビも冴えている(笑)
林道の状態が少し心配だったけれど、以前より整備されていて
道が良くなっていたのでスムーズに海沢園地まで辿り着いた。

少し広くなった駐車スペースには5台ほど先客の車が止めてあった。
『こんなところまで、良くみんな来るもんだな。』
なかば呆れたように主人が呟いた。
でも、自分たちだけでないことに少し安心したようだった。

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相変わらず川は美しいし大好きなサワグルミの巨木も健在でうれしい!
わたしは、凛と冷たく澄んだ山の空気を胸一杯に吸い込んだ。
何だか、久しぶりに奥多摩の匂いを乗せた風に包まれた気がした。

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大袈裟だけど五感が蘇ってくる感じ、冬の山はいいなぁ…
わたしはすっかり元気になってぴょんぴょんと岩を渡った。
「あなた、ちょっと足場が悪いから気をつけてね。」そう言って
先になって歩き出した。岩ゴロの道の側には清冽な流れが巡り
所々に、飛沫氷が出来ていた。

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主人は時々、立ち止まりながら、その氷を写真に撮っている。
黙々と歩いているけれど、きっと自然の造形に心動かされているに違いない。


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やがて、最初の滝、三つ釜の滝が現われた。
氷結具合は7割と言うところだろうか。、
「この滝は三段になった滝で、釜が3つあるから三つ釜の滝と
いうんですって、今、2段の滝に見えているけれど、少し上に上ると
三段だという事が分かるのよ。」

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わたしたちは、ひとしきり滝の写真を撮った後、滝に沿って登り上げている山道に入った。
すぐに二段目と三段目の間にある真ん中の釜が見えてきた。
深いエメラルドグリーンの水を湛えた美しい釜だ。

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主人は第一声で、『凄く深いんだろうなぁ…一体どの位あるんだろう。
この水の色なら2メートルはあるだろうな。』と言った。
きっと、この神秘的な水の色に心を動かされたのだと思う。
さらに、もう少し登ると、下からは見えなかった一番上の滝とその釜が見えてきた。

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こちらも、美しい色の水を湛えている。
『綺麗な水だな。』と、主人はポツリと漏らした。
「そうなのよ。これを見せたかったのよ。来て良かったでしょう?」
うれしくなって、思わずそう言ったわたしに、主人の答えはお決まりの
『まあな』だった。^_^;

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そして、今度は鉄梯子を降りてしばらく流れ沿いに歩いていく。
ちょうど、陽射しが差し込んで、川面がキラキラと輝いた。
枯れ枝が一瞬、眩しく反射して、冬の森の気高さにわたしは目を細めた。
主人は、そんな光景にもカメラを向けていた。

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やがて、ねじれの滝の大岩が見えてきた。
いつもの場所に美しい飛沫氷がまるで氷の門のように出来ていて、
奥の岩には見事なツララが氷柱となって何本も伸びていた。
「この先の、大岩の角を回りこんで見て(^_^)」

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主人は覗きこんで驚いたようだった。
ねじれの滝はほぼ、全面凍結で滝壺も氷で閉ざされようとしていた。
ちょうど、上から降りてきたカメラマンの人としばし談笑した。
その人が言うには、数日前に雪が降ってしまったので駄目だそうだ。

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凄い寒波が来て、夜にぐっと冷え込んで一気に氷結すると
滝壺が鏡のように透き通った一枚の青氷のようになる時があるのだそうだ。
『1シーズンに一度あるかないかのその瞬間を求めて通ってるけど
今年はもうダメだね。一度凍ったのが、溶けてまた凍ると、
鏡面ではなくなってしまうからね。』
なるほど…深いなぁ。いいお話しを聞かせていただいた。
いつか、偶然に、そんな日に出逢ってみたいものだ。

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「せっかく、ここまで来たのだからもうひと頑張りで大滝まで
行ってみましょうよ。30分もかからないと思うわ。」
わたしたちは、ねじれの滝を後にして山道を登りだした。
すると、上から青年が降りてきた。聞けば、大滝に行こうと
したが道に迷って着けなかったそうだ。
「それなら、わたしたちも行くところだから一緒に行きますか?」
『はい、ぜひ、お願いします。』と言う事で、ここからは、
3人のにわかパーティとなった。

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結構キツイ山道を登っていくと、少し広くなった場所に出て大滝への分岐の道標が現われる。
しかし、この場所がぽっかりと広くなっている上に、道標の位置が上過ぎるため、
見損なってしまう可能性がある。
しかも、大滝への分岐は笹に覆われていて見えずらいのだ。
「ここなんだけれど、道標が見づらくて分からないよね。」
『ほんとだ、さっきは全く気がつかなかったですよ。』青年は、その道標を写真に撮っていた。

わたし、主人、青年の順で細い急坂を降りてゆく。
『こりゃぁ、凄い道だなぁ。どこまで降りていくんだ?』と、
ぶつぶつ言いながら主人が付いてくる。

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「木の根は滑るから気をつけてね。もう少しよ。
ほら水音が聞こえるでしょ。もうじき、見えるはずよ」
そんな事を言っているうちに、木の間越しに、大滝の姿が見え始めた。
『あっ!見えた。あれか?』主人が嬉しそうな声をあげる。

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どんどん降りて行くにしたがってだんだんと滝の全貌が見えてくる。
今は冬枯れなので、葉の繁った他の季節よりも、良く見えて分かりやすいのだった。
だんだんと滝の大きさが分かり始め、いったいどの位大きな滝なんだろう?と想像を膨らませる。
この行程がワクワクするのだった。
きっと、主人も、その後から付いてくる青年も同じ気持ちなんじゃないかと思う。

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やがて、大きな楓の木の根元に辿り着くと、滝の全貌が明らかになったのだった。
『わぁ!こいつは凄い!!』
あまり感動の言葉を口にしない主人が、手放しで喜んでいた。
わたしは、内心「やった!!」と思った。
ついに、主人を感動させることが出来たようだった。

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やっぱり、自然って偉大だと思う。
そして、主人の心にも感動の小さな種を蒔けたことで満足だった。
「この下に下りて、滝壺まで行けるわよ。」と、声をかけると、
主人は一目散に降りて行った(笑)

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滝壺の回りには薄っすらと雪が積もり、水面は周りから凍り始めていた。
滝はと見ると、流れの回りから飛沫氷が成長して、
ほぼ滝を覆うようになっていたが、中心部は、まだ水が流れ落ちているのだった。
残念ながら全面凍結ではないが、シャンデリアのように美しく
幾重にも層を作って凍った滝はとても美しかった。

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そして、氷の厚くなった部分は薄っすらと碧がかった青氷だった。
わたしたちは、場所を変えながら、何枚も写真を撮った。
わたしには、滝の右側に天使がいるように見えるのだけど…
たぶん、そう見えるのはわたしだけだろうと思って口には出さなかった^_^;

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滝壺に近寄って覗き込んでみると、底のほうが、目の覚めるようなコバルトブルーをしている。
まるで、大きなトルコ石でも沈んでいるみたいだった。
「ねぇ、底のほうが、凄くきれいなブルーなのよ。何か石でも沈んでるみたい。」
と、声をかけると

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青年が、早速そばに来て覗いて見て、『本当だ!凄く綺麗ですね。
なんだろう?水の色なのかな?』と、つぶやいた。
「そうね、氷も青みがかっているから水の色かも。
きっと、底のほうに石に、水が反射してるのかも知れないね。」
二人で水の中を覗き込んでそんな事を話した。

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滝壺に成長した飛沫氷の隙間に、頭だけ内側に入れて眺めると、
外の光が柔らかく屈折してキラキラと輝いた。この光が見れただけで、
わたしはしあわせだと感じたのだった。

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わたしたちは、滝壺のそばに腰をおろしてしばし談笑した。
とても、礼儀正しい青年で、主人とも会話が弾んでいた。
彼は、最近、歩く事を始めたばかりで、いろいろなところを歩いて
みたいと考えているそうだ。まずは、一番最初は、行ってみたかった
箱根に峠越えをして行ったと言っていた。

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「それじゃ、徳本峠越えで上高地入りなんて良いんじゃない?」
と、わたしが言うと『はい!行きたいです!!』と目を輝かせた。
奥多摩は、始めたばかりで、まだ、少ない自分の装備で行けそうな
所を人から教えてもらって、この海沢に来たのだそうだ。

「それならば、日原も素晴らしいところよ。今度ぜひ、行ってみてね。」
と、地図を広げて、川乗山や百尋の滝、稲村岩や鷹巣山、さらには
雲取山へのアプローチなど教えてあげた。
そして、巨樹がたくさんあることも…(^_^)

彼は、熱心に手帳にメモを取り『ありがとうございました。行って見ます。』
と礼儀正しく答えてさわやかな笑顔を見せた。

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こうして、大滝探訪を無事済ませ、来た道を息を切らせながら戻った。
青年は大楢峠を越えて鳩ノ巣方面に向かうというので、ここで別れた。
『ありがとうございました。お陰で、大滝が見れました。
一枚写真を撮らせていただけますか?』
別れ際、青年はそう言って、わたしたちの写真を撮ってくれた。

「さようなら、気をつけて帰ってね!また、どこかでお会いしましょうね。」
わたしたちの車が見えなくなるまで、青年は手を振ってくれた。
「あなた、海沢三滝が見れて良かったね。大滝、良かったでしょう?」
と聞くと、『まあな。すごい山道で大変だった。もう行かないからな。』
と、いつものように答えるのだった。でも、その声が笑っている。
それは、楽しかった!と言っているのと同じようだと思った。

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「そうなの?でも、あの青年は、いい子だったね。」と、言うと、
今度はとても素直に『ああ、いい青年だったな。』と答えたのだった。
山での偶然の出逢いは、とても爽やかな風を、主人とわたしの心に
吹かせてくれたようだった。

そして、帰りがけに寄ったヤマセミポイントで、わたしたちは、
ヤマちゃんと尾瀬仲間のこいちゃんとてばまるさんに出逢えたのだった。

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ボケボケだけど、わたしが撮ったヤマちゃんの飛び姿を、載せておきます~^_^;
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category: 森・山

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