Admin New entry Up load All archives

風立ちぬ

日々の想いを風に乗せて…

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

CM: -- TB: --   

ある、霜の朝のお話し 

そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくて
まるでカチカチの灼きをかけた鋼です。
そして星が一杯です。けれども東の空はもう
優しい桔梗の花びらのようにあやしい底光りをはじめました。

その明け方の空の下、ひるの鳥でも行かない高い所を
鋭い霜のかけらが風に流されてサラサラサラサラ南の方へ
飛んで行きました。
実にその微かな音が丘の上の一本いちょうの木に聞える位、
澄み切った明け方です。

いちょうの実はみんな一度に目をさましました。
そしてドキッとしたのです。
今日こそはたしかに旅立ちの日でした。
みんなも前からそう思っていましたし、
昨日の夕方やって来た二羽の烏もそういいました。

宮沢賢治の“いちょうの実”というお話です。
この明け方の空の色や、霜の朝の澄みきった空気の冷たさとか
細かな銀色のはりのような霜のかけらがが風に流れる音とか…
そんな描写がとても素敵で好きなのです。

過ぎた日の秋…
わたしは、色づき始めた銀杏の木の下で、そっと本を開き
このお話しを読みました。
そして、ハラハラと、イチョウの葉が散り敷いて
銀杏の実が旅立つ頃に、明け方の空を見上げ
もう一度、この銀杏の木の下で
このお話しを朗読してみたいと思っていました。

けれど、いつのまにか月日は過ぎて、とうとう
その夢は叶いませんでした。

真っ白に霜が降りたある朝、
白い息をして、わたしは、馴染みの神社の境内にいました。

okumusasi_033.jpg

散り敷いた銀杏の葉が、色を失くし降り積もった中に
たくさんの銀杏の実が零れていました。

okumusasi_066.jpg

okumusasi_063.jpg

おかあさんの銀杏の木の下に、こんなにたくさんの銀杏の子供たちが
霜に凍えて落ちていました。
遠く、旅立つはずだったのに、おかあさんが恋しかったのかな…

okumusasi_071.jpg

まだ、色のある、イチョウのひと葉…

okumusasi_114.jpg

一面、楓の葉が幾重にも降り積もって、霜に凍えているのです
きっと、散ったばかりの時は、どんなに美しかったでしょう…

okumusasi_118.jpg

薄茶色の枯れ葉が、過ぎし時をセピア色に刻む…

okumusasi_115.jpg

柔らかなセピア色に、鮮やかなサザンカの花びらがそっと…

okumusasi_137.jpg

わたしは、空で覚えていた、いちょうの実を、
声に出してもう一度、言ってみました。

そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくて …
スポンサーサイト

category: 里山

CM: 0 TB: 0   

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://sion920.blog74.fc2.com/tb.php/121-f1e2194e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。