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風立ちぬ

日々の想いを風に乗せて…

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心の旅 

残暑お見舞い申し上げます。
ごぶさたお許しください。お元気ですか。
毎日毎日、猛暑猛暑という言葉通りの暑さが
いつになったら涼しくなるのだろうとひたすら
心待ちにしている私です。…

そんな書き出しで、美しい文字でびっしりと綴られた残暑見舞いが届いた。
中学、高校と、仲良しだったふみちゃんからの葉書だった。
メール全盛のこのご時勢に、彼女は季節の便りをこうしてマメに書き綴って送ってくれる。

穏やかで知的で、優しい人柄を映し出したような文面は、それを読むわたしの心を暖かく包んでくれるのだった。
そして、美しい文字は、心の美しさを滲み出させているように思う。

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ふみちゃん、残暑お見舞いありがとう。
わたしは、元気にしています。家族もみんな元気にしているよ。
毎日、本当に暑いけれど、それでも、花や虫たちは、ちゃんと季節の移ろいを告げているような気がします。
山では、秋のお花が咲き始めたし、いつの間にか夜になると虫の音がだいぶ大きくなってきましたね。
今夜のお月様、見ましたか?まん丸の満月でした。
中学校の修学旅行の時、宿泊した京都の古びた旅館の縁側で、二人で見上げたお月様は、ちょうど中秋の名月だったよね。
覚えていますか?庭には薄が揺れて、虫の音がしきりでした…
二人とも、清少納言か紫式部になった気分で、いつまでも眺めていたことを。

それからね。夏が来るたびに思い出すのは、ふみちゃんと夜行列車に揺られていった東北の旅なんだよ。
八幡平の山頂で見た星空の美しかった事…あの時、いつか好きな人とこの場所に旅して来たいね!なんて話したよね。
そうだった。ふみちゃんは、ちゃんと夢を叶えて好きな人と、もう一度、八幡平の夜空を見れたんだったよね。
わたしは、とうとう行きそびれてしまったけれど、今年の9月に、娘と盛岡と花巻に行く事になりました。
あの時、ふみちゃんと、周りそこねた岩手です。随分と月日が経ったものですよね。
とても短い旅だけれど、きっと感慨深い旅になると思います。
帰ってきたら、報告しますね。
そして、いつか、ふたりがもう少し人生を重ねて、いろいろなものから卒業できた頃、また旅に出たいですね。
お互いに、どんな話しをしているのかな?あんがい、昔のままの二人かもしれないね。
オテンバなわたしと、穏やかなふみちゃんと、きっと、笑い合っている。
きっと、歩き続けていると思うよ。

それじゃぁ、また、いつか逢いましょう。それまで、お元気でね…

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category: 日々の思い

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獅子舞の夏2009 

今年も、下名栗の獅子舞の季節が来ました。
今日は、稽古総仕上げ、明日が、本祭りです。
わたしにとって、下名栗の獅子舞は、夏そのものです。
今年も、下名栗の人々に逢いに行ってきました。
そして、新たな感動をたくさんいただいて帰ってきました。
例年に無い猛暑のなか、獅子舞を皆さんで作り上げていく素晴らしいエネルギーと、獅子舞にかける情熱に、今年も心を奪われました。
写真の数も膨大です(^_^;)
写真の整理がつくころには、また、来年になっているかもしれません。

昨年の獅子舞のレポートを、締め切りギリギリで、昨夜書き上げました。
一年遅れの“獅子舞の夏”を、よろしかったらご覧ください。


獅子舞の夏2009

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category: 里山

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1000のバイオリンの谷で 

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昨年から、ずっとやってみたかった事を、この日実現した。
日原本谷のかなり上流部に位置する、巨木の森にある美しい渓谷
まるで秘密基地のような入り江になったこの渓谷を俯瞰した時から、
いつか、あの渓流で遊んでみたいと思っていたのだ。

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わたしたちは、木陰にザックを下ろし、登山靴を脱いで、持参したビーチサンダルに履き替えた。
そして、ズボンをたくし上げるのももどかしく、澄んだ流れに飛び込んだ。

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うわぁ~♪ 気持ちいい~♪
足に感じる水流の強さや、川底の砂利を踏む感触は、一気にわたしたちを夏の子どもにしてしまったようだ。

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澄み切った水のなんて清浄なこと!

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緑の森と、白波を立てる青い水面…

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浅瀬には細かな砂利の川床が広がり、キツリフネが揺れてる。

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おもちゃの小船のような不思議な形の渓流の花、キツリフネ

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ミゾホウズキも咲いていた。

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オトギリソウに

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ミヤマホトトギス、みんな黄色の花ばかりだ。

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あっ、岩壁にたくさんのイワタバコを見つけた。

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アップで引き寄せて、わたしは夢中になる。

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紫がかったピンクの花びらは、まるで空から流れて落ちた流星たちのよう。
森に落ちた流れ星が、花になったのかも知れない…

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流れに散った、気の早い落ち葉たち…まだ、秋にはちょっと早いのにあわてんんぼうさんね。

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落ち葉の上の雫たち…時には、琥珀色に染まっている。

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幻の滝まで遡行したかったけれど、大岩に阻まれた。

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わたしたちは、今回は諦めて、ツガの巨木が横たわる場所へと戻った。

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それにしても、なんて立派な倒木だろう…

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どこか、川上の崖の上に立っていて、倒伏し、ここまで流されたのではないかと、隊長が言った。
その根には、未だにしっかりと大岩が組み込まれたままだった。

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ツガの巨木の周りは、流れが緩やかになり、細かな砂利の浅瀬になっていた。
ここだけは日の光が、さらさらと水をくぐって、川床の砂を輝かせた。

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川床の石にひかかった、一枚の楓の葉に、陽の光と水のきらめきが代わる代わるにまとわり付いて遊んでいるみたい。綺麗だなって、つい、声に出していた。

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わたしたちは、ビーチサンダルも脱ぎ捨てて、素足になって砂利の感触を味わった。
細かな砂地は、ゆっくりと足が潜っていくのだ。むぎゅーっとしたその感触は気持ちよくて癖になりそうだった。

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緑の木立ちの中を降りてきた光は、木々の葉を透かせて緑色の透過光になる。

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わたしたちは、トムソーヤとハックルベリーフィンになった。

この谷を“1000のバイオリンの谷”と呼ぼうか。

♪ヒマラヤほどの消しゴムひとつ
 楽しい事をたくさんしたい
 ミサイルほどのペンを片手に
 おもしろい事をたくさんしたい

ブルーハーツの1000のバイオリンを大きな声で歌いたい気分だったよね(*^_^*)

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category: 森・山

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蓮のある風景 

わたしは、野や山に咲く花が好きだ。
庭に咲く花も美しいと思うのだけれど、やはり、野辺に咲く花を見つけると立ち止まってしまうし、緑の森影に咲く花や、高原に楚々と咲く花に出逢うと夢中になってしまう。

今年も、ひそやかにねむの花が咲いた。
梢に咲いたたくさんの花も、見つけようとしなければ、目に入ってこないのかもしれない。
たくさんの薄紅色の花が、風に揺れる姿もとても素敵だった…

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少し時季は遅かったけれど、今年もしなやかで繊細な、紅筆のような花を見れて嬉しかった。

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ねむの木の木陰には、タケニグサの花も咲いていた。せいたかのっぽの雑草だけれど、目立たない小さな花を良く見れば愛らしい。

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野の花でも山の花でもなくて、そして庭に咲く花とも少し違うけれど
蓮の花は、何故かこころ惹かれる…
大好きな夏に咲く花だからかも知れない。
今年も、蓮の花が見たくて、秩父の荒川にある蓮園を訪ねた。
ここは、休耕田を蓮園にしていて、地元の方たちが管理されている。
棚田になった田んぼや果樹園などが続く盆地で、秩父の山並みを望む、長閑な感じの蓮園なのだった。

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純白の蓮、今年撮りたかった蓮花だけれど、時季が少し遅かった。
たった一輪だけしか咲いていなかった。

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少し膨らんだ蕾も愛らしい…

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ほんのりと、花びらの淵に、ピンク色がある花

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蓮の茎に、シオカラトンボが止まっていた。

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透明な翅が真夏の陽射しにキラっと輝く

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葉っぱの上に残った銀色の雨のしずくがフルフルと揺れているのも好きだ。

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蓮園に行ってきた数日後に、何気なく目を通した雑誌に、凛とした美しい蓮の写真が載っていた。
その写真を撮ったのは、蓮の花に魅せられ、20年も撮り続けている女性写真家だった。
そして、その記事に書かれていた言葉に、とても惹かれた。

「暑い盛り、蓮に向かい合っている時間やその空間に身をおくと、この一年間に汚れた心が淨められていくような気がします。」

蓮に向かうと心が浄化される…まさに、蓮の魅力、そのもののような気がした。

蓮の花の命は4日と言われているそうだ。
一日目の早朝、蕾が膨らみやがて閉じる。

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二日目の朝、花が美しく咲き、午後には閉じる。

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三日目、咲いた花は皿上になって、完全に閉じる事は無く

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四日目の午後にはパラパラと花びらを落とす。

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そうだったのかと初めて知った。
良く、蓮の花を撮るなら早朝だとか言われている。
理由は、午後には閉じてしまうからだとか、朝咲いた花は一日で散ってしまうからだとか聞いたことがある。
でも、午後に行っても、夕方に行っても蓮は咲いていたから、おかしいなと思っていたけれど、これで謎が解けた気がする。夕方になっても咲いていた蓮は、三日目の蓮という事になる。

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それぞれに、清楚、可憐、妖艶、爛熟と、ドラマチックな蓮花の表情があるのだという。
来年、蓮花に向かう時、この言葉を思い出してみようと思ったのだった。
そして、蓮に向き合って、その静かな時間を心に刻みたいと思ったのだった。

蓮の葉陰には、カルガモたちと

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蓮の咲く水辺には、トンボたち、小さな命が息づいているのだった。

オオシオカラトンボ

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シオカラトンボ

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ショウジョウトンボとオオイトトンボ

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キイトトンボ

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ミヤマアカネ

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わたしは、トンボたちを追いかけて、過ごす時間も好きだ。
そんな意味でも、やはり、秩父の蓮園は魅力的だと思った。

category: 里山

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誕生日にイーハトーブへ 

ここのところ、毎晩、夕食の後片付けが済むと、アイリスとパソコンで検索をしている。
なにを調べているのかと言うと、9月に出かける予定の盛岡周辺を調べているのだ。
この旅行を言い出したのはアイリスだった。
“賢治を旅する”のタイトルに惹かれて買った雑誌を読んで、旅心を誘われたらしい。

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そういえば、ずっと昔、今のアイリスよりも若かったころのわたしは、夏が来るのが待ちきれなかった。
♪知らない街を歩いてみたい どこか遠くへ行きたい~♪あの歌詞にロマンを感じ、旅心を誘われていた。
ルート周遊券(いまなら、スリーデイパスかな?)を握り締め、鈍行の夜行列車に揺られて憧れの東北を旅した夏休みが懐かしい。
青森の八甲田山は遠くに緑の湿原が広がり、湯煙りの酸ヶ湯温泉は、鄙びた湯治宿だった。
秋田の奥入瀬渓谷の瀬音を聞きながらいくつもの小滝を巡り、十和田湖に辿り着いたときには、その青さと大きさに息を呑んだ。
湖畔に佇む高村光太郎の乙女の像も訪ね、智恵子抄を思い出した。

八幡平の湿原を巡る木道に寝転んで、草原を過ぎる風の音を聞いていた。
耳元を飛ぶミツバチの羽音が眠気を誘いちょっぴり、うたた寝もした。
夜の八幡平で見た満天の星空と流星群は忘れられないファンタジーだった。
本当は、このあと、日本一の透明度を誇るという田沢湖に立ち寄り竜子の像と対面し、
岩手の小岩井農場や、賢治のふるさとも見るつもりだった。

ところが、わたしの旅はいつも行き当たりばったりで、最初に立てた計画通りに行ったためしがなかった。
結局、この旅の後半は、八幡平のユースホステルで臨時のヘルパーをボランティアで引き受け滞在することになった。
そして、そこで知り合った行きづりの人々と過ごした数日間は、何にも変えがたい素晴らしい青春の1ページとなった。
あんな旅はたぶん二度とできないだろう。
若さゆえに与えられた贈り物だったのかも知れない。

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ちょっと、話がそれたけれど、21歳の旅で、行き残した岩手は、もう二度と行くことは叶わないのだろうと思っていたが、まさか、娘と行くことになろうとは夢にも思っていなかった。

アイリスは、わたしと違って、几帳面にきちっと計画を立てる。
『おかあさん、どこに泊まろうか?温泉がいいよね?』
「うん、そうね~。山奥の鄙びた温泉もいいわね。
でも、アイリスがホテルのほうが良いなら、どこかお洒落なホテルを探してみようよ。」

すると、アイリスは、『おかあさんが、行きたいところにしようよ。だって、この旅行はおかあさんの誕生日旅行でもある訳だし…』と言う。
そう言われて、わたしは、旅行の日程がわたしの誕生日と重なっていた事に初めて気が付いた。
「そうだったの…ありがとう。」

誕生日に、賢治が愛したイーハトーブを旅する。
そして、あの時、行きそびれてしまった青春の忘れ物を捜しに行く。

アイリスの計画はなんて素敵なんだろう。
「ありがとう、アイリス。二人で銀河鉄道の旅に出ようね♪」

一泊二日の旅、昔みたいにたっぷりの時間はないけれど、きっと心に残る旅になると思う。

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ネコ街のしっぽ 

森影に山百合が咲き始めた7月中旬、午前中がぽっかり空いていたので、先日、やっと探し当てた隠れた庭園
“臨川庭園”に行ってみた。

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この“臨川庭園”は、戦後活躍した青梅出身の政治家、津雲氏が所有していた庭園らしい。
現在は市に寄贈され、市が管理しているそうだが、知る人ぞ知るといった感じの庭園で、場所もネコ街の外れにあるので、ネコ街のしっぽと言うことにした。(笑)

ネコ街もしっぽに行くにしたがって、うっそうとした緑に包まれ始める。
前回は、雨も降っていて時間もなかったので、慌しく歩いたので、今回は違う道も歩いてみようと思い少し先まで行ってみる。

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すると、メインストリート沿いに、何だか面白そうなお店がある事に気づいた。
こんもりした木立ちに囲まれた民家で、ノボリが立ってなければ、お店とは気づかないで通り過ぎてしまっただろう。
“岩村コレクション”“ギャラリー”“歌声喫茶”などの文字が興味をそそる。
最近、素敵なお店や怪しいお店を見つけるのが趣味になりつつあるようで、これは、ぜひ帰りに寄って見たいと思ったのだった。

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道脇にうっそうと繁る緑の森は、小さな川がかなり下の方を流れている。
なんとなく、懐かしいような気持ちで、森の中の小道を辿って行くと、ぱっと目の前が開け、小高い丘のような場所に出た。
眼下には緩やかな多摩川の流れが緑の堤に囲まれるように流れ、その中に点在するように街並が見渡せる。
心地良い風が通り抜け、眩しい青空が続いているそんな場所。

宮崎駿のアニメ“耳を澄ませば”のモデルになった街に似ている。
あの街も、ここよりももう少し下流になるが、多摩川の流れる街だ。
つい、主題歌の“カントリーロード”を口ずさみたくなった。

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その一角に、風見のプロペラが取り付けられたお宅があった。
なんて素敵なお宅なんだろうと思ったら、樹木医の看板が目に留まった。
樹のお医者さんなんだ…樹が好きなわたしにとって、素敵な職業だと思えるのだった。
坂の街に点在する家々は、どこかゆったりとしていて、別荘地のような佇まいなのだった。

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今日は、“臨川庭園”の門は開いていた。
古めかしい木戸が、「さぁ、どうぞ」と言うように観音開きに開かれていた。

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燦燦と降り注ぐ陽射しに、セミの声…
川のせせらぎ、草いきれの香りが、いっきに真夏を連れてきたようだった。

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庭園の中はすぐに回ってしまえるほどこじんまりしているが、たくさんの木々が繁っている。
梢には、野鳥も来て囀っていた。花は端境期なのだろうか、あまりなかったが山百合の花が咲いていた。
大きな石の上に、ぽとりと落ちた花びらがなんとなく印象に残ってカメラを向けた。

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夏の日差しを受けて、山百合の花が岩に落ちた花びらと影が印象的だった。
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紫陽花もたくさんあったが、やはり夏になると一気にその花色はかげりをみせはじめ
る。少し、くすんだ花色も季節の移ろいを物語っているように健気に木陰で咲き続け
ていた。季節が通り過ぎても散れない花は何を想っているのだろうか…。

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まだ、開いたばかりの綺麗な花もあったので、そっとカメラを向けてみた。
清楚な白い花びらに、うっすらと紅を引いたように…

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美しい青…水色の毬のように、木陰にひっそりと紫陽花はうつむいて咲いていた。

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臨川庭園は、津雲氏が、この場所から多摩川を眺めるのが好きで、そう呼んでいたことから付けられた名前だそうだ。

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東屋から眺めると、杉木立ち越しに緩やかにカーブする川が眺められる。
前日の大雨がたたって、今日は少し濁った水なのが残念だった。

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眩しすぎる日差しの中でヒオウギスイセンの花が、鮮やかなオレンジの花色で咲いていた。
子供の頃、たしか金魚草と教えてもらったような気がする。
庭の片隅の、濃くなった夏の緑の草陰で泳いでいるオレンジ色の金魚…
そんな感じがする可愛い花だ。

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そんなキンギョソウに、ツユムシがとまっていた。
しなやかな触覚が美しい、生まれたばかりのツユムシだろうか?

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あら?小さな枯山水の石の庭で、しなやかな黒いネコが一心に何かとじゃれている。
あの雨の日に写真を撮らせてくれた黒猫だった。
きっと、トカゲでも捕まえようとしてるのかもしれない。

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真っ黒な毛並みが、太陽の光で虹色に輝いていた。しばらく見ていると猫はようやく
顔をあげわたしを見上げた。葡萄色の瞳が美しく澄んでいた。

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咲き残ったくちなしの花が、甘い香りを漂わせ

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山吹の花は、茶色の実を結んだ。

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楓の新緑も、中には、こんなに黄金色に輝く木もある。何ともいえない不思議な色合いにため息が漏れる。
真夏の太陽が全く良く似合っているものだと思った。

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この庭園を見下ろせる小高い場所に、小さなお茶室がある。
障子を開け放すと風が吹きぬけていく、眺めのよい茶室だった。
希望者は市に申し込めば使用できるそうだ。
秋の一日など、こんな静かな庭園を望みながらお茶会を催すのも、なかなか風情があるだろうと思った。

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ここを管理されているおじさんと少しお話をさせていただいた。
やはりあまり訪れる人はいないらしい。
穏やかな語り口と笑顔が優しげな人だった。
『秋は、紅葉が綺麗ですよ。ぜひ、また、お越しください。』おじさんはそう言っ
て、『さて、もう少し、庭の手入れをしましょうか』と腰をあげた。

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“臨川庭園”の門を出ようとした時、モンシロチョウがわたしの回りをひらひらと飛ぶ
今まで、モンシロチョウの手乗りは成功したことがなかったが、この子は、なんとなく止まってくれそうな気がして、そっと手を差し伸べてみた。
蝶は、三回ほど指先に乗ってくれた。嬉しかった。

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わたしは、裏木戸をくぐって外へ出て、来た道を辿った。

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「あっ、あったわ!」
この前、次に来た時には消えているんじゃないかな?と思った小さな神社は今日も夏草に埋もれて佇んでいた。

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草を踏んで狛犬の側に立つと、ドクダミノ香りがツンと鼻を突いた。

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狛犬の頭の上には、カゲロウの抜け殻がひとつ…
あの長い尻尾もちゃんと付いているんだなぁと、感心してしまった。

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蛍が飛びそうな小さな川も流れていた。
でも、草が深いので蛇にあったら嫌なので、奥へは進まず帰り道を辿った。

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こっちに行っても大丈夫そうなので竹林の道を辿ってみる。

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森脇の木陰の道には、ヤブガラシの花が絡みつきながら砂糖菓子のような花を咲かせていた。
雑草と言われる花だけれど、子どもの時から何故か好きだった。

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オレンジとピンクのちいさな花が、星座のように瞬いて見えるのだった。
取るに足らないような道端の雑草の花にも小さな空があるようで、自然の不思議を思ったりした。

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清々しい森影の小道を辿ると、ムラサキツユクサも、青い瞳で挨拶してくれた。
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この花も子どもの頃から好きな花だ。とても綺麗な青い花びらの色に惹かれるのだった。。

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そんな寄り道をしながら、先ほどのお店の前に戻ってきた。
引き戸を開けて中に入ると、なんとも不思議な空間だった。

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グランドピアノの蓋を利用したテーブル。

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応対に現われたオーナーの女性は気さくにいろいろお話してくださった。
この家は、代々、すぐ向かいにある神社の神主さんをしておられたそうで、家の蔵の中にはいろいろな古い物が埋もれていたのだそうだ。
よれよれになって紙屑のように丸められていたものを広げてみると、先代が明治時代の頃に収集したと見られるような物や、戦争で疎開していた時に、疎開先で書いた絵画などがたくさん出てきたそうだ。
それらを、専門のお店で、綺麗に再生してもらったのだそうだ。

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蔵も見せていただいたが、蔵の中にはグランドピアノが置かれ、
明治時代の相撲絵とか、墨絵とか、与謝野晶子自筆の掛け軸とか、そうかと思えばペ
イネや外国の画家が書いた絵画とか…とにかくいろいろなものがあった。
『最初は、この蔵で貸しスタジオでもやろうかと思ってピアノを置いたりしたのです
がまだ実現してないんですよ』と、案内してくださったオーナーさんは明るく笑った。

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向かって右が与謝野晶子の実筆。左が西郷隆盛の書の先生のもの

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喫茶店の方にも大正琴やら、エレクトーンなどが置かれていて、ピアノの蓋を利用し
たテーブルとかなかなかアイデアマンのオーナーさんだった。

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そして、そのアイデアの一つが、ここで、週1で「歌声喫茶」が開かれるのだそう
だ。
わたしは最初、カラオケのことかと思ったが、そうではないのだと言う。
歌声喫茶とは、ジャズ喫茶などの前身なのだそうだ。
時代は戦後の復興が終わり、高度成長期に入った頃、喫茶店に集まった若者たちが熱く語り合い、やがてピアノやアコーディオンなどを伴奏にパワフルに歌いあうようになったそうだ。

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このお店で「歌声喫茶」を再現してみると、当時、歌声喫茶でよく歌っていたと言
う、お年寄りたちが集まりみなさん熱唱されるようになったのだと言う。
リクエストのあった曲を、ご主人が歌詞カードを作り、奥様がエレクトーンで演奏す
る。なんだか、パワフルで素敵な光景が目に浮かんだ。

このお宅は、一時期楽器屋さんも営んだことがあり、その時の名残りだといって、7
0年代の楽譜が売られていた。中には、拓郎や、かぐや姫の楽譜が残っていて懐かし
くて手にとって見させていただいた。

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若々しい拓郎
しなやかでかっこよくて、そして、今見ると、かわいい!

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“今はまだ人生を語らず”このジャケット好きだなぁ。

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こちらは、かぐや姫
南こうせつさんの歌は抜群に上手だった。

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懐かしいなぁ…

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その中には、初々しい拓郎や、かぐや姫のポートレートがたくさんあって、思わず引き込まれてしまった。
わたしは、不思議なお店を後にして、半日の散策を終わったのだった。


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