Admin New entry Up load All archives

風立ちぬ

日々の想いを風に乗せて…

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

CM: -- TB: --   

軽井沢へ 

アイリスが、4月頃から計画してくれていた軽井沢旅行。
当初は、1泊で行こうという計画を立てていた。
アイリスは、家族で行きたいと言っていた。
軽井沢は、主人の実家のある長野に帰省する時に、いつも通過していく場所。
高速道路から、碓氷軽井沢の標識を見たり、妙義や浅間の山容を眺めると行ってみたいなぁと思っていた。
『軽井沢なら、長野に近いからお父さんも行ってくれるかも知れないから…』と
そんな理由で、軽井沢にしたようだ。アイリスは、先日、友達とも行って来て、
『とっても素敵な所だからみんなで行こうよ。お姉ちゃんとてっちゃんも連れて。』
せっかく、娘が計画を立ててくれたのに、主人は、『疲れるから行きたくない』の一点張りだった。

「わたしたちも歳をとり、体が動かなくなったら行きたくてもどこにも行けなくなってしまうわ。
そうなったら、いくら、娘たちが連れて行ってくれると言っても行けなくなるのよ。
今のうちに、自分たちのためじゃなく娘たちに良い思い出を残してあげるために行こうよ。」
そんな風に、何回も説得して、やっと主人も渋々と重い腰を上げてくれた。
息子と、義理の息子(てっちゃんパパ)は仕事があるため行けなかったけれど、主人、わたし、アイリス、マーガレット、てっちゃんの5人旅が始った。

朝、7時にマーガレットの家に迎えに行くと、ちょうど、てっちゃんパパが仕事に出かける所だった。
「ごめんね。○○ちゃんが、暑い中お仕事なのに、遊びに連れて行っちゃって…」
『いえ、いいです。よろしくお願いします。』と、てっちゃんパパは笑顔で答えた。
彼をみんなで見送ってから、いざ出発。
てっちゃんは、朝早くから起きていたそうなので、チャイルドシートに載せたら、すぐにスヤスヤと眠ってしまった。
その寝顔が可愛くてつい、見つめてしまう。

karuizawa_001.jpg

『最初に、一番奥の北軽井沢もある白糸の滝に行こうと思うの。森の中にあるとっても綺麗な滝だよ。』
アイリスとマーガレットは交代で運転して、車は涼やかな森の中の道を滑るように走り抜けていった。
助手席の主人は窓を開け、『外が気持ちいいぞ、エアコンを切って窓を開けていこう』と言った。
開け放たれた窓から、ひんやりとした朝の森の空気が流れ込んできた。
「ほんと、気持ちいいね~♪」わたしは苔むした森や別荘地などを眺めていた。
やがて、駐車場について、森の中の道を白糸の滝まで歩いていく。
森の中を白波を立てて流れる川が美しい。

karuizawa_006.jpg

黄色い小さな花、ミヤマキンポウゲかなぁ?木漏れ日を浴びて光る水面に揺れている。

karuizawa_008.jpg

祈り…ふとそんな言葉が浮かんだ。

karuizawa_155.jpg

トリアシショウマの白い花が、絶え間なく風に揺れながら水しぶきを浴びている。

karuizawa_012.jpg

いく段にも流れ落ちる川、深い森の中に現れる美しい天然の水の造形にため息が出る。

karuizawa_026.jpg

そして、白糸の滝が現れた。重なり合った緑の梢から降り注ぐ木漏れ日は、スポットライトのように滝を照らしていた。

karuizawa_112.jpg

澄み切った水のなんて美しい…

karuizawa_091.jpg

光が反射して、浅い川床を黄金色に照らしている。

karuizawa_099.jpg

マーガレットに手を引かれ、てっちゃんも滝を見ている。

karuizawa_066.jpg

麦わら帽子がお似合いのカントリーボーイ。ママのマーガレットも麦わら帽子がよく似合う女の子だった。

karuizawa_081.jpg

お隣では、大きなゴールデンも記念撮影。

karuizawa_121.jpg

いつまでも見ていたいけど…次に行かなくちゃ。もう主人は歩き始めていた。
涼やかな風とマイナスイオン、緑のオアシスのような白糸の滝を後にする。

karuizawa_123.jpg

帰り道、高い梢のどこかで、美しい声でオオルリが囀っていた。
姿が見えないかなと思いながら、わたしは何度も梢を見上げた。
その度に、重なり合った結葉に、木漏れ日が透過して、まるで緑の灯火のように輝いて見えた。
美しいな…と何度も立ち止まるうち、少しづつ遅れてしまう。わたしが、走っていくと、
娘たちが振り返って、笑顔で手を振っていた。
『いいよ、おかあさん、走らなくっても、ゆっくりおいでよ』そんな風に言ってくれる娘たち、嬉しかった。

karuizawa_163.jpg

『さぁ、次は、おかあさんのリクエストの、旧三笠ホテルだよ。』
森の中の道を少し下って別荘地の中を走っていく。
苔むした美しい林床に、木立ちに囲まれて建っている瀟洒な別荘…
22歳の時、母たちと家族旅行で訪れた軽井沢が蘇り、懐かしさで胸がキュンとなる。

karuizawa_157.jpg

『おかあさん、素敵だね~♪どんな人たちが住んでいるんだろう?』
『一日でいいから、こんな別荘にゆっくり泊まってみたいね。』
『きっと、静かだろうね。朝なんて小鳥の声で目を覚ますんだわ、きっと!』
『夜はきっと、フクロウの鳴き声なんか聞こえて、窓辺には、子リスなんかがやってくるかも』
そんな風に、言葉を交わしながら、遠い昔、母と朝の軽井沢の森を散策しながら交わした会話を思い出したりしている。そう言えば、あの時も、同じような事を母と話していたなぁ…。
いつか、娘たちも再び軽井沢を訪れて、今日のこの会話を思い出す日が来るのだろうか?

森の中に、旧三笠ホテルの建物が現れた。

karuizawa_173.jpg

部屋の中を見学できる。窓辺には緑の森が美しい。

karuizawa_182.jpg

水彩画も美しい

karuizawa_180.jpg

木漏れ日の差し込む窓辺、白いレースのカーテン越しの光が柔らかい

karuizawa_226_20100729004824.jpg

娘たち

karuizawa_228.jpg

窓際の光の中で、撮ったマーガレットとてっちゃん。
逆光だけれど、光に包まれた幸せそうな母子の姿がとても気に入った一枚。

karuizawa_005_20100729004824.jpg

緑の中に佇む三笠ホテルを後に、ランチをとるために、旧軽井沢へと移動する。

karuizawa_236.jpg

軽井沢の街並み

karuizawa_244.jpg

旧軽井沢の駅。そう言えば、この駅に見覚えがある。遠い昔の記憶の糸が繋がった。

karuizawa_242.jpg

アイリスが探しておいてくれた、ステーキとハンバーグのお店でランチ

karuizawa_249.jpg

とっても美味しかった。
ゼラニウムの鉢植えが、何故か綺麗で、パチリ…

karuizawa_253.jpg

最後に、てっちゃんとマーガレットのために、おもちゃの博物館へ

karuizawa_260.jpg

素敵な木工細工

karuizawa_265.jpg

可愛い星

karuizawa_266.jpg

おみやげ物のコーナー

karuizawa_272.jpg

もう、閉館のようだね。ちょっと、忙しかったね。また今度ゆっくりくればいいよ。
なんて言いながら、外に出る。

karuizawa_303.jpg

夕暮れが迫った森に、真っ白な紫陽花が綺麗に浮かび上がった。

karuizawa_299.jpg

ユウスゲの花も咲いている。

karuizawa_314.jpg

キキョウの紫が、ひっそりと美しいね。

karuizawa_312.jpg

ナデシコの花

karuizawa_324.jpg

マーガレットの花

karuizawa_322.jpg

今回の旅行でマーガレットは、妹のアイリスにねぎらいと感謝を忘れなかった。
そして、てっちゃんを慈しむ母の顔を何度も覗かせた。
アイリスは、全ての旅行の計画を立て、みんなに気を配ってくれた。
いつの間にか、娘たちは、大人の女性になっていたんだと、改めて感じた。
主人は、やっぱり、疲れた!と言っていたけれど、てっちゃんを良く抱っこしてくれた。
きっと、思い出深い旅行になったのだと思っている。
娘たちとてっちゃんのお陰で、わたしたち夫婦も一日、楽しい思いをさせてもらったと感謝している。

ほんの短い旅行だけれど、小さくて、ほんのり暖かい、思い出が出来た。
家族にはさまざまな形がある。ささやかだけれど、それでもいい…
少しづつ、そんな絆を深めていきたい。
きっとこれが、わたしたち家族のスタイルなんだと思う。

karuizawa_327.jpg
スポンサーサイト

category:

CM: 4 TB: 0   

旅は出逢い 

友人のお店からの帰り道、時間があったら、ちょっと寄り道をしようと思っていた。
それが、高崎になるのか、小川になるのか、中之条になるのか、何も決めてはいなかった。
北高崎の駅に着くなり、わたしは、時刻表を眺めた。
なんと、ちょうど良い列車がある。しかも終点の横川まで30分の道のりだ。
わたしは、すぐさま列車に飛び乗った。
オレンジと緑の車体の列車、良い感じ!(^^) ローカル線気分を満喫できそうだ。

rinsen_165.jpg


終点の横川駅に到着すると、「わぁ~!SLが待っててくれた!」思わずつぶやいてしまう^m^
やっぱり、わたしは鉄道が好きなんだと思った。
列車から降りたら、早速、SL撮影!

rinsen_161.jpg

SLの発車時刻は3時10分とのこと、後20分ほど、時間がある。
ホームを駆け回って夢中で写真を撮ってる自分がおかしくもあった。

rinsen_068.jpg

山のように石炭が積まれている。SLが走るのには、あんなにたくさん石炭が必要なんだろうなと思った。

rinsen_174.jpg

たくさんの機械の集合体のような車輪は、SLの醍醐味でもある。

rinsen_185.jpg

真っ黒な車体もまたダイナミック

rinsen_190.jpg

背後の緑の山をバックに、煙がたなびく。

rinsen_175.jpg

歩線橋を渡って上から見る。

rinsen_200.jpg

rinsen_201.jpg

D51の顔。てっちゃんの持ってるDVDの“機関車トーマス”を思い出した。

rinsen_231.jpg

車体。綺麗だなぁと惚れ惚れ♪

rinsen_237.jpg

ベテランそうな運転手さんと、若い運転手さんが3名。実地教育中なのだろうか?
みな、楽しそうな笑顔だった。

rinsen_252.jpg

いよいよ発車するようだ。SLは、大きく汽笛を鳴らした。
あの汽笛の音色は何度聞いても郷愁をそそられて、良いものだ。
帰りは、ディーゼル車が引いていくのだろうか?

rinsen_261.jpg

窓から顔を覗かせて嬉しそうな男の子。
いつか、てっちゃんも、こんな風に機関車に乗せてあげたいと思った。

rinsen_259.jpg

少年たちが、一生懸命写真を撮っている。SLが大好きなんだろうなぁ(^^)

rinsen_275.jpg

チョコレート色のディーゼル車も良い味を出している。

rinsen_282.jpg

ブルーの客車が滑るように遠ざかっていく。

rinsen_286.jpg

そして、D51の漆黒の車体が目の前を駆け抜けていく。
シュッ、シュッ、という擦れるような軋む音と、郷愁を誘う汽笛の音を残して…

rinsen_293.jpg

遠くなっていく汽車を見送った。

rinsen_295.jpg

ずっとずっと、見えなくなるまで見送った。

rinsen_307.jpg

気が付くと、ホームには、可愛い男の子がひとり歩いていく。
未来のてっちゃんを重ねてみたりした…

rinsen_314.jpg

横川駅のプレート。
そうそう、このめがね橋“碓氷峠第3橋梁”を見てみたいんだった。
碓氷峠にあるという赤レンガの鉄橋は、今は使われていないそうだが、なんとも美しい橋だと思う。

rinsen_324.jpg

ノスタルジックな横川駅。

rinsen_141.jpg

峠の釜飯で有名な荻野屋さん。

rinsen_140.jpg

レトロな街並みがいたるところに残っていて

rinsen_126.jpg

懐かしい感じのする通りを散策してみたくなった。

rinsen_133.jpg

駅の奥には“鉄道文化村”と言う施設があった。
貨物列車など展示されていて、ミニSLなども走っていた。
ここから、1時間あまりののハイキングコースで、碓氷峠第3橋梁まで行けるらしい。
次回はぜひ、行って見たいと思ったのだった。

rinsen_106.jpg

以前は、この先まで鉄道があったのだと思う。レールが残ったままの道路も面白い。

rinsen_073.jpg

いろいろ、回りたい所はたくさんあったが、3時50分の列車に乗らなければならないので、駅へと向かった。
ほんの2時間あまりの鉄道の旅、でも、ローカル線愛好家のわたしとしては、“テツ”を満喫した旅だった。

rinsen_063.jpg

横川駅で見つけた素敵なポスター
下仁田駅にも行ってみたくなったのだった。

rinsen_076.jpg

category:

CM: 2 TB: 0   

新しい門出を祝って…(^^)v 

「masaさん、来たよ!素敵なお店じゃない、おめでとう!」

『しーちゃん、遠いところ良く来てくれたね。ありがとう!暑かったでしょう?さぁ、座ってよ。』

そんな会話から始った。
18日、開店2日目の友人のお店を訪ねた。
高崎で、念願のお店を持つ。
長年、好きで打ち込んできた仕事を辞めると決断するのには、相当の迷いや不安もあった事と思う。

『家族にも心配をかけたけれど、年齢的にも、最後のチャンスだと思って我がままを通させて貰ったよ。だから失敗はできないからね、精一杯頑張ってみるよ!』
先日、青梅を訪ねてくれた時、決意を噛み締めるように、友人は目を輝かせながら話してくれた。

北高崎に、物件を見つけ、コツコツと手作りでリフォームしたお店。
床張りや、壁の漆喰塗り、カウンターテーブルに至るまで自力で頑張ったそうだ。
『何とか、経費を浮かせないとね。自分で出来るところはやろうと思ってね。』
そんなふうに話してくれた友の笑顔を思い出した。

連日の猛暑のなか、慣れない木工仕事は大変だったことだろう。
毎日、「暑いなぁ!!」と思う度、わたしには、汗を流しながら頑張っている友人の姿が浮かんでくるのだった。
そんな苦心のお店を見るのも楽しみだった。もちろん、試行錯誤の上、何度も試食を重ねながら作り上げた、オリジナルメニューの方もとても期待している。

以前、良く尾瀬に通っていた頃、高崎の駅は馴染みの駅だったけれど、今回改めて訪ねてみるとすっかり様変わりしていて驚いた。

rinsen_015.jpg

友人のお店は北高崎駅のそばという事で、信越本線に乗り換える。
少し待ち時間があったので高崎の駅をブラブラしてみた。ステーションライブのスペースがあったり、

rinsen_011.jpg

達磨で有名な高崎らしいオブジェもあった。街自体も大きくて駅前など都会的だった。

rinsen_016.jpg

きっと、散策したらおもしろいだろうなぁと、思いながらホームに戻ると、何と汽笛の音が…。
驚いた事にSLが停車していた。高崎から、終点の横川駅まで、走るらしい。
北高崎駅はその途中の駅だった。

rinsen_010.jpg


北高崎の駅で降りて歩き出す。さて、どっちかなぁ?
今日はうっかりして、携帯電話を家に忘れてきてしまった。
道に迷っても電話をかけるわけには行かない。わたしは地図を片手に駅前の道を歩き出す。
まぁ、時間はたっぷりあるのだからと、あちこち見て回るつもりで歩き出した。

rinsen_018.jpg


古い家並みがあったり、広い道路が走っていて、空が広くて気持ちがいい。
何となく路面電車でも走っていそうな通りだなと思ったら、やはり昔は走っていたそうだ。

rinsen_043.jpg

やがて行く手に、赤い花輪が見える。あっ!あれかな?と思ったら、やっぱりそうだった。
“俺のそば”何ともユニークで、インパクトがあって、とてもいい店名だと思った。
ストレートで男らしいところ、masaさんらしいなぁ(^_^)

rinsen_037.jpg

わたしはまず、反対側の道路から、お店の写真を何枚か撮ったあと、ドキドキしながらお店のドアを開けたのだった。

rinsen_021.jpg

『いらっしゃい!』元気な声に迎えられた。
開店にあたり、masaさんの職場の同僚が、お二人、お手伝いをされていた。
masaさんの出で立ちは、生成りのハンチング帽に、チャコールグレーのシャツ、
黒のパンツに黒の前掛け、お洒落でカッコ良かった。写真を撮らせてもらえば良かったな(^^)

rinsen_025.jpg

このテーブルも、壁に掛かったオブジェもmasaさんの手作りだそうだ。
店の奥には隠れ家的なスペースもあり、その部屋も自分で作ったという、
本当に器用な人だと思う。
店内は明るくて清潔な感じで、とても居心地が良かった。

rinsen_028.jpg


さて、何を注文しようか?テーブルの上のメニューを眺める。
お店の看板やノボリも、ガラス扉に書かれた文字も、メニューの文字もmasaさんが書いたそうだ。
見やすくて綺麗な字なのでびっくり、masaさんって、絵だけじゃなく文字も上手なんだね。

rinsen_040.jpg

「お勧めは何?」
『うん、鶏蕎麦かな。付け汁でじっくり煮込んだ鶏肉が、柔らかくておいしいと思ってる。
鶏が苦手じゃなかったら食べてみて、ラー油が入ってるから、ちょっと辛いかな。』

「鶏は苦手じゃないんだけど、辛いのは苦手なので、蕎麦サラダにするね。」

『了解。昨日、いちじんさんとけいこさんも来てくれて、同じものを注文してくれたよ』
手際よく、良く冷えた蕎麦サラダが出来上がった。

rinsen_036.jpg

たっぷりのお蕎麦に、生野菜のトッピング、茗荷や胡麻の香味も利いている。
ドレッシングで和えたお蕎麦は、しゃきっとしてとても美味しい。

するとmasaさんは、『残してもいいから、こっちも食べてみてよ。あまり辛くしていないから』と言って、別盛で鶏蕎麦を作ってくれた。

こちらのお蕎麦もとても美味しい。鶏肉が柔らかくて、ちょっと辛めのタレに良く合っていて、食欲をそそる。夏バテしそうな暑い日には、もってこいの一品だと思う。

それと、注文を受けてから揚げたアツアツのヒレカツをソースに漬けて、ご飯にのせたソースカツ丼は、とても美味しそうだった。今度はぜひ食べてみたい。

rinsen_032.jpg

そうしているうちに、お客さんは切れ目なく次々と入ってきて、なかなか好調な出だしだと思った。
通りがかりの人も何度も覗いていく。わたしは、「美味しいですよ!どうぞ召し上がってください!」と、声をかけたい心境になった(笑)
masaさんが、精魂傾けて開いたお店、ぜひとも繁盛して欲しい。
これから新しい時を刻みながら、一歩一歩着実に進んで行く、彼のサクセス・ストーリーを見守っていきたいと願った。

1時間ほどお邪魔して、わたしは店を後にした。
masaさんにも、お友達の方たちにも、親切にしていただいて、とても心地良い時間を過ごさせていただいた。
masaさんには、心から彼を応援してお手伝いしてくれる素晴らしいお友達がいる。
彼の男気のある性格、ひたむきな一途さと、明るい笑顔が人を惹きつけるのだと思った。
生まれ育った街で、masaさんならきっと、頑張って行ける様な気がした。

rinsen_062.jpg

その夜、店の片付けを終えて今帰宅したというmasaさんからメールが入った。
『今日は、遠路遥々来てくれてありがとう。心から嬉しかったよ。
みんなからの美味しいという言葉に励まされ、要望や苦情には丁寧に頭を下げ、徐々に成長していきたいと思うよ。ちなみにね。今日手伝ってくれていた方たちや、他の友達や会社の後輩たちが、みんな無償で手伝ってくれてるんだ。いろんな人に感謝しながら頑張っていくよ。まずは訪ねてきてくれたことへのお礼のメールから…』

わたしは、そのメールを読みながら、とても暖かな気持ちに満たされた。
そして、友の穏やかな笑顔が浮かんだのだった。

rinsen_058.jpg

このブログを、ご覧の皆様へ
もし、高崎にいらっしゃる時があったら、ぜひ、彼のお店を訪ねてみてください。
北高崎の駅から、歩いて8分ほど、オリジナル蕎麦が美味しいお店です。
友人のmasaさんが、心をこめて作っています。(^^)

北高崎飯塚町 “飯塚町南”という交差点の側 : 店名“俺のそば”

category: 日々の思い

CM: 2 TB: 0   

雨の午後… 

時おり強く降る雨の午後、小降りになって来たので、いつもの街を歩いた。
睡蓮の咲く池には、雨粒の小さな波紋が広がっていた。
半夏生の白い花が、重なり合って、雨に煙るように咲いていた。

hotaru2_001.jpg

緑滴る池のほとりには、いつの間にか鮮やかなノカンゾウの花が咲き始めていた。
朱色の花が雨に濡れて、はっとするほど鮮やかだった。
花の命は一日だという…この花を見ると、やはりあなたを思い出す。
一日限りでしおれていく花なのに何故か凛として力強く見える、
じりじりとした夏の日差しさえ、跳ね返すように咲いている。
ひそやかだけれど情熱的に咲いているのは、儚なさゆえなのだろうか。

hotaru2_007.jpg

ネコじゃらしの緑のしっぽ…ほんわりと優しく、風に揺れる姿が好きだけれど、
雨のしずくをいっぱいまとった姿もかわいい。
秋の陽に金色に輝く姿も美しい… エノコログサ

hotaru2_008.jpg

もう、萩の花が咲いている…秋の七草だけれど、初夏なのにもう咲き出している。
他にも、桔梗や女郎花、葛…夏のうちから咲く花も多い
萩の葉にこぼれるように朝露を置く…白露とは、秋の季語だ。

hotaru2_005.jpg

いつもの街の石畳も雨に濡れている。

hotaru2_010.jpg

古い町屋に、咲き残ったバラの花一輪…

hotaru2_012.jpg

馴染みのお店も雨が似合っている。

hotaru2_014.jpg


いつものお店で、今日は、鈴木正治展を開催しているとの事なので寄ってみた。
入り口に飾られた白い髭を蓄えた老人の写真がある。

hotaru2_020.jpg

柔らかな眼差し、穏やかな面立ち、この人こそ、青森の彫刻家、鈴木正治氏だった。
この写真が作品の全てを物語っているような気がした。

hotaru2_024.jpg

鈴木氏は、郷土を深く愛し、青森の山深い森の中で製作を続けたそうだ。
そして、彼の作品のほとんどが、青森のギャラリーで飾られている。
一本の木から削りだして作られた作品は、自然体で素朴で、木の温もりと、木の生命力とを残しているような気がした。

hotaru2_038.jpg

夏への扉は、木の床、テーブルも椅子も、素朴で重厚な自然木が生かされている素敵
な店内だ。それが、作品と上手く融合して、ギャラリーにありながら、まるで森の中
にいるような不思議な感覚にとらわれた。

hotaru2_051.jpg

hotaru2_040.jpg

木の作品ばかりではなく、石を彫刻したものもあったが、こちらもナチュラルだ。
もし、森の中に、これらの彫刻が置かれているとしたら、きっと、何の違和感も無く、素敵にハーモニーを奏で始めるような気がした。

hotaru2_022.jpg

また、夏への扉の奥様が惚れ込んだという、富士山の絵。シルクスクリーンというらしい。

hotaru2_029.jpg

墨の濃淡を生かし、シンプルでダイナミックに描かれている。
わたしには、専門的なことは判らないのだが、墨絵というと、細かく生き生きと描写される墨の部分と、残された余白の部分に、あらゆる光と色を載せているような気がする。

hotaru2_050.jpg

氏の墨絵は、少し印象が違って、物の形をシンプルにして抽象画のようなイメージだ。
それは、たぶん、彫刻のフォルムに通じているような気がした。
そのなかで、わたしは、この、星空と題された絵が気に入った。

hotaru2_026.jpg

開け放たれた窓枠には、蔦が美しい緑の葉を広げ、雨の匂いを含んだ涼やかな風が流れ込んできた。

hotaru2_044.jpg

時折り、通り過ぎてゆく電車の音が心地良く響き、
コーヒーの香りと、雨の匂いとが、ジャズの音色に絡み合い、今日も夏への扉には上質の時間が流れていた。

hotaru2_035.jpg

今日は、マスターはお留守のようだったが、作者のことを語る奥様の、純粋な眼差し
が心に残った。

もう少し時間があるから、街中を抜けて、まだ通ったことの無い道を辿ってみる。
急に木立ちが生い茂り、細い坂道が迷路のように続いている。
わたしは、臨川庭園という場所を探していた。たぶん、この道でいいと思うんだけれど…

hotaru2_132.jpg


やがて、こんもりした森を抜けたら、多摩川に出てしまった。
少し緩やかに蛇行した川は、どちらの川岸にも森が繁り、広い川原と空が続いていた。
不思議とこの一角だけ忘れ去られたかのように、とても静かな空間を作っていた。

hotaru2_095.jpg

河原には、レモン色の月見草と。薄紫の花が咲いていた。

hotaru2_113.jpg

太宰治は “富士には月見草がよく似合う”と詠んだが、
月見草は、川原が似合う花だと、わたしはいつも思ってしまう。

hotaru2_103.jpg

夕暮れの川原に、透き通るように綺麗な月見草が開き始めると、柔らかな郷愁に似た感傷が胸の中に広がるのだ。
子供の頃、父に手を引かれて歩いた、入間川の川原を思い出してしまうからかも知れない。
弟と母も一緒に歩いていた。カジカ蛙の声、夕暮れの川面に夕月の影、川原の仄暗がりに、白々と咲き続いていた月見草の花灯り。
それは、いつも、わたしの心にある夏の原風景の一つなのだった。

雨の滴を溜めた月見草の花には、蛍が雨宿り…なんて似合うだろうけれど、今日の雨
宿りはカメムシだった(^_^)

hotaru2_115.jpg


道を間違えてしまったらしい…わたしは、少し川原を歩いてから、来た道を戻った。
しばらく、坂道を登りなおし、細い路地を曲がってみたら、しっとりと落ち着いた日
本家屋が現れた、玄関には、真っ黒な猫が置物のようにじっと座っている。
あら!黒猫のジジだ!思わずつぶやいてカメラを向けた。
ジジくんは、相変わらず、じーっとしたまま、カメラに収まってくれた。

hotaru2_121.jpg

ふと、そのお宅の表札を見てびっくり…なんと、“津雲”と書かれていた。
臨川庭園は、津雲氏が別邸に作った庭園なのだった。

hotaru2_126.jpg

と言うことは、この先にあるはずと辺りを見回したら、木々の茂みの中に古めかしい門が現れた。
そこには、臨川庭園の文字があった。
今日は時間が遅いからもう閉まってしまっていたけれど、場所が判って嬉しかった。
今度は、晴れた日に再訪したいと心に誓い、わたしは帰路に着くことにした。
帰り道、緑に埋もれた空間が目に留まった。

hotaru2_158.jpg

草が生い茂り、忘れ去られたように狛犬が置かれていた。
小さな鳥居と、その奥に祠がある。
なんとなく、千と千尋の神隠しに出てきたような場面が頭に浮かんだ。
奇妙な石仏の佇む森の奥のトンネルを越えたら不思議な世界に入ってしまうあの場面
だ。

hotaru2_135.jpg

hotaru2_159.jpg


何だか、子どものように、少し怖くなって、わたしは帰り道を急ぎながら考えた。
やっぱり、青梅は面白い街だ…!今度、訪れた時、あの神社は消えているんじゃない
かなぁ…
そんな空想を膨らませながら、雨の午後の散策を終えたのだった。

hotaru2_130.jpg





category:

CM: 0 TB: 0   

はじめての一歩 

7月8日、夕方、電話が鳴って、主人が電話をとった。
わたしは、夕飯の支度をしながらマーガレットかな?と思いながら何となく耳を傾けていた。

『そうか!歩いたか!おめでとう。』そう言って主人は電話を切ってしまい、居間に戻って、またテレビを見ている。
わたしは、やれやれと思いながら、主人にお茶を入れながら尋ねた。
「お父さん、電話はマーガレットから?てっちゃんが、歩いたの?」

『ああ、今、3歩ぐらい歩いたってさ。』主人は、ぶっきらぼうに答えて新聞に目を落とした。
平静を装っているけれど、嬉しいくせに…と、思った。(^_^)
だって、さっきの電話の声、嬉しそうだったもの。
思わず『おめでとう!』って言ったのをちゃんと聞いてるんだから…
不器用な人だなぁと、内心思いながら
「もう、お父さんたら…それなら、代わってくれればいいのに。」と、言った。

わたしは、改めてマーガレットに電話をかけ直した。
マーガレットは、電話口で嬉しそうに言葉を続けた。
『さっき、パパの目の前で、3歩、歩いたのよ。パパは、やったぁ~!と大喜びだよ。
日曜日に、動物園に連れて行ってくれるって急に言い出して、明日、靴を買って来いだって…。
ちょうど、1歳2ヶ月目で歩いたの。最初の一歩をパパに見せるなんて、親孝行な息子だよね!』

「そう、じゃ、明日買いに行こうか?楽しみにしているね」
わたしは、靴を買ってあげる約束をしたのだった。

靴屋さんで、いろいろ選んで、てっちゃんに履かせて見た。
13.5cm…手のひらに乗るような、可愛らしい靴。初めての靴だ。
てっちゃんは、嫌がるかと思ったが、そんなことも無く、嬉しそうにお店の中を歩いたので、その靴に決めて買って帰ったのだった。

娘夫婦は、日曜日に、隣町にある動物園に行って、パパが手を引いて歩いたそうだ。
この前連れて行ったときよりも、てっちゃんは動物に反応して声をあげて喜んでいたそうだ。
こども動物園という小さな動物園は、子どもたちが小さい頃、すぐ近くに住んでいたので、良く連れて行ったものだった。
その動物園に、今度はてっちゃんが行く。
あの頃、わたしの両親も良く訪れては、孫たちを連れて行って遊んでくれた。
もう、長いこと行った事がなかったけれど、今度は、わたしも行ってみようかなと思う。
子育てに一生懸命だったあの頃を思い出すのだろうな…。

夕方、買い物に行きたいからと、マーガレットがてっちゃんを預けに来た。
てっちゃんが、靴を脱ぎたがらないので、ちょっとお外をお散歩することにした。
歩くといっても、まだ、おぼつかない足取りの、ヨチヨチ歩きだ。

大きく一歩を踏み出したり、カニさんのように横に歩いたり、
ぐるぐるとわたしの回りを歩いてみたり、その仕草がとても可愛い。
わたしの指を握り締めて、離さずに歩く。疲れると手を持ち帰る(笑)
時折り、見上げてにこっと笑う。
ヨチヨチ、ヨチヨチ…

tetu8_063.jpg


信頼しきって一心に、わたしの指先を握り締めているちいさな、ちいさな手…
そんなぬくもりが、指先から伝わってきて、ちょっと胸が熱くなった。
てっちゃんは日々成長しているんだなと思う。
そんな姿を、近くで見つめられるしあわせを忘れないように心に刻みたいと思った。

主人の足元で、笑顔を振りまくてっちゃんを、主人も目を細めている。
自分の子どもたちを育てる時は、こんな穏やかな顔をしていなかったような気がする。
主人も歳を取って、そんな心のゆとりが出来たのかもしれない。
てっちゃんの存在は、主人の心のオアシスにもなっているのだと思う。

てっちゃん、ありがとう…(^_^)

tetu1.jpg

category: 日々の思い

CM: 6 TB: 0   

木漏れ日の降る季節 

ほんの短い朝の散歩で、近くの公園を歩いて来ました。
住宅街を抜けて、多摩川へと坂道を降りてゆけば、広くなった河原に出ました。
その川に架かる橋を渡れば緑の公園の入り口です。

syoubu_258.jpg

まだ、若いミズナラやコナラに混じって、渓畔林のサワグルミやカツラの木が生い茂っていて、町の中なのに森を感じて嬉しくなりました。

syoubu_166.jpg

見上げれば重なり合った結葉の美しさ…

syoubu_168.jpg

そよぐカツラの森の下で、草の葉が、つんつん、光っています。

syoubu_178.jpg

どこからか、子猫があらわれました。とっても美猫ちゃん。

syoubu_180.jpg

キラキラ光る草原をゆっくりと歩いていきます。

syoubu_184.jpg

悠然と、どこか野生を漂わせながら、こちらを振り向きもせず、わたしの目の前を通り抜けていきます。

syoubu_186.jpg

メサテコイヤの根元で、ちょっと爪を研いで、

syoubu_191.jpg

草はらの向こうへと消えていきました。

syoubu_196.jpg

さやさやと、楓の若葉が囁いて、わたしに話しかけます。

syoubu_199.jpg

ずーっと、撮りたいと思っていた、柔らかな楓の新緑。

syoubu_201.jpg

健やかで柔らかな薄緑、赤子の手のように愛らしいモミジの葉…

syoubu_202.jpg

木漏れ日に透けて、綺麗!

syoubu_203.jpg

突然、古民家が現れてびっくりしました。

syoubu_212.jpg

江戸時代に作られた成木の古民家をここに移築したそうです。

syoubu_213.jpg

土間の奥には、流しがあって、今も使えそうです。

syoubu_232.jpg

囲炉裏には、火がおこされていて、もくもくと煙が上がっています。

syoubu_237.jpg

黒光りした床に、天井、長い年月囲炉裏の煙でいぶされて黒くなったそうです。

syoubu_245.jpg

雨戸越しに、外の緑が眩しいです。

syoubu_239.jpg

庭には、紫色のキキョウソウ…

syoubu_221.jpg

木漏れ日の下で綺麗です。

syoubu_224.jpg

ひっそりと、小さなお地蔵さん。

syoubu_247.jpg

緑に映える古民家を後にして、

syoubu_254.jpg

一面にシロツメクサの咲く森の中を抜けます。

syoubu_276.jpg

大きなホウの葉が、光に透けて美しいです。

syoubu_207.jpg

ホウの葉の上で、ちらちらと遊ぶ木漏れ日を見上げながら、来た道を戻って、朝の散歩を終えました。
あなたも、ほんの少し歩いてください。森の中は、柔らかな緑色…木漏れ日の降る季節です。

syoubu_288.jpg

category: 里山

CM: 2 TB: 0   

友の言葉… 

先日、友人と青梅の街を散策した。
待ち合わせの場所で、久しぶりに懐かしい笑顔に逢えた。
『やぁ、しーちゃん、久しぶりだね!この前あったのはいつだっけ?』
「そうね。昨年の12月じゃない?ちょっと早めの忘年会ってことだったよね。」
『そうかぁ、じゃぁ、半年ぶりって事か、元気そうだね。良かったよ。』
「ほんとだね。お互い元気で良かったよ、今日は楽しみにしてたんだよ。」

naguri_03.jpg

駅の路地裏をぐるっと回って、友人が、以前から来たいといっていたお店“夏への
扉”へやってきた。
坂道を上がった先に、お店の飾り窓が見えてくると、
『やったね。ついに扉を開けられるんだね。』と、友人は目を輝かせた。
お店の中に入り、気に入ったテーブルに腰をかけ、友人は満足そうな笑みを浮かべ
た。
『いいね!思っていた以上に素敵だよ♪』友人が喜んでくれるとわたしも嬉しい。

naguri_16.jpg


HPを通じて友人と出逢ったのは、今から8年ほど前のことだった。
山が好きだという共通点と、お互いの感性が似通っていたのかもしれない。
もうひとりの友人と3人で、尾瀬を一緒に歩いたのが、初めてのオフでの出会いになる。
もう一人の友人は、その時の尾瀬が始めての山だった。
若くて明るい彼女のお蔭で、すぐに意気投合して、熱く語り合った山小屋の夜、
ふざけあい、楽しくて笑い転げた旅だった。今思い返しても、キラキラと眩しい思い出だ。
あの頃…みんな若かったなぁ…と思う。
初めて尾瀬を歩いた友人も、今では、わたしなんかより立派な山女になっていた。
月日は流れた。
でも、友のひとなつっこい笑顔、穏やかな語り口、優しい眼差し、あの頃と少しも変わっていない。

naguri_06.jpg

『もう、8年も経つんだね。その間に、お互いいろんなことがあったなぁと思ったよ。』
「そうね。わたしも孫ができちゃったしね。お子さんたち大きくなったでしょうね」
『上の娘は、いま中3で下の息子は、中1だよ。二人とも部活を一生懸命やっているよ。
息子はバスケに夢中で、身長なんて、もう、オレよりでかいんだよ。』
友人は家族のことを話しながら、一瞬、父親の顔になった。

『上の娘さん、近くに越して来たって、良かったね。しーちゃんもやっと安心できたんじゃない?てっちゃん、もう歩くのかな?』
「一歳になったけど、まだ歩かないのよ。でも、ハイハイは早いのよ。あとちょっとで歩きそうなんだけどね。」
孫の話をしているわたしは、おばあちゃんの顔になっていたのかもしれない。

naguri_32.jpg

ゆったりと流れるJAZZに耳を傾けながら、積もる話をぽつり、ぽつりと語り、
後はたわいの無い話をした。わたしたちは居心地が良くて長居をしてしまった。
帰り際、“夏への扉”のマスターと奥様と、少しお話をさせていただいた。
お二人とも気さくで暖かい方で、お店の名前にもなったSF小説「夏への扉」で話が弾んだ。

そのあと、小雨の降る街を傘をさしながらのんびり歩き、2つほどお店を回って友人は帰っていった。

naguri_24.jpg

「本当はね、もう、山を諦めようかと思ったりもしたのよ。
いままで、自分の好きなことばかりしていたような気がして、気が引けてたの…
これからは家族のために尽くそうかなぁなんてね…
でも、思うようには行かないのよね。人の気持ちって難しいね…」

『ははは、人なんて、そう簡単に変われるもんじゃないよ。
いいさ、しーちゃんは、また山に行けばいいよ。自分が行きたいと思うときに行けるようになるといいね。
ずっと、行かないでいて、出かけるのが億劫になってしまったらおしまいだよ。』
そう言って笑ってくれた友の言葉が、揺らいでいたわたしの背中を押してくれた。
「そうだね。7月になったら、ぼちぼちと、再開してみようかな?」
『それがいいよ!オレは、自力で勝負さ。しばらくは、無休で頑張ってみるよ。
また、時間が取れたら“夏への扉”を開けに行こうよ。』
「うん、早く軌道にのるといいね!、応援してるから頑張ってね。いつかまた、3人で山を歩こうよ。」

naguri_01.jpg


そんな言葉を交わして別れたけれど、次に逢う時も、きっと変わらない友であると思う。
このまま、ずっと何年経っても、つい昨日別れたばかりのように話せるような気がする。
たとえば、あと、10年経っても『やぁ、しーちゃん、久しぶりだね!この前逢ったのはいつだっけ?』
『うん、半年ぶりだよ、元気だった?』と、そんな会話を交わせていたらしあわせだと願ったのだった。

わたしは、友人の言葉に勇気を貰った。遠くなっていく友の車を見送って、ありがとうとつぶやいたのだった。


♪ ちょうど、このブログを書いている時、ジブリの“紅の豚”をやっていた。
「さくらんぼの実るころ」 と、 この「時には昔の話しを」 好きなのでリンクしてみました。
    ↓
時には昔の話しを

category: 森・山

CM: 6 TB: 0   
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。