2009-11-27


すっかりお天気も回復したのでそのまま、遊歩道を歩き、川井へと向かい、もう一つ
の美術館を訪ねることにした。
渓流をカヌーで下る人々を眺めながら、流れに沿った遊歩道を歩いていく。
美しい楓やケヤキの紅葉や、植林帯の間をうねるように這い上がる広葉樹の紅葉を愛でながら歩いていくと、流れが穏やかになり、川幅が広がって川井のキャンプ場が現れ、今度は釣りを楽しむ人々の姿があった。



この場所は浅瀬になっていて、広々と視界が開けて気持ちがいい場所だ。
この岸辺近くに、“御岳美術館”がある。小さな美術だが、ロダンや高村光太郎のブロンズ像、倉田三郎、岸田劉生の絵画など、有名なコレクションもあるようだ。
館内は静かなBGMが流れ、珈琲なども楽しむことが出来る。
ここは撮影禁止のため、画像はないが、石の器に張った水に、浮かべた山茶花の花がとても美しくて見とれてしまった。


美術館の周りは山里の風情が広がっていて、のんびり散策してみた。
山茶花の小道。

ネットの柵に絡まった、草の実に、先ほどまでの雨の雫が残る。

真っ赤なカエデの葉を拾い上げて…

ケヤキの葉っぱの重ね色…黄色と茶色のシックな秋色。

赤茶色と茶色の、暖かな秋色の重ねの色合い。

陽射しがキラキラと差し込んで、イロハカエデはまるで小さな星屑のように輝きだした。

一枚、舞い降りた葉が、クモの巣に落ちてチラチラと…星の子みたい。

鳩ノ巣渓谷へと向かう道は、サクラ紅葉の散る小道。

渓谷を彩るカエデ

鳩ノ巣渓谷に架かる小さなつり橋、鳩ノ巣小橋。

そのたもとにある、木造の小さなお店。ギャラリーぽっぽ。

一度は入ってみたいなぁと思っていたので、寄ってみることにした。

渓谷を一望できるように、窓に面して、一列にテーブルが置かれている。

女性の方が、一人で切り盛りしているらしく、「どこでも、お好きなところにどうぞ。」と、案内された。
ちょっと迷って、一番端の席に座った。
目の前に飾られた手作りのお人形が可愛らしかったから…


そして、小さな写真立ての中の、天使の絵が、とってもラブリー

ちょうど、お昼時でお腹がすいたので、食事をしようかなと思った。
メニューは、カレーと、定食の二種類だけど、無農薬野菜と、玄米と黒米のご飯。
とっても体に良さそうなメニューで、美味しくいただきました。

店内は、自然光が気持ち良く入ってきて、窓に向かった席で過ごす時間は、とても居心地が良かった。
これから冬に向かえば、きっとストーブに火が点り、赤々と燃え、ヤカンからは白い湯気が立ってシュンシュンと言っていそうな気がした。
そんな空間で、ゆっくりと本などを読んで過ごすのもいいなぁと思った。
どこからか、カメムシがやってきて、じーっとしている。きっとあったかいんだろうなぁ。

実際、このお店には、たくさんの本が置かれていて、自由に手にとって読むことも出来るのだった。
わたしは、最初に目に留まった“かあさんのこころ”という絵本を手に取った。

とても寂しそうなクマの子の顔が気になった。
『ぼくは、毎日、釣りをしていた…』
河原は、ほんのりと夕日に染まり、たくさんの赤とんぼたちが風に舞っている絵が美しかった。
でも、クマの子は、寂しそうな顔で、じっと釣り糸を垂れている。

『夜になると僕は星空を見上げた』
瞬く星座が、無数に煌く夜空を、静かに見上げるクマの子の姿が描かれている。
薄い闇の中に、じーっとうずくまるような、クマの子の姿が、本当に寂しそうで、
その絵を見ているだけで胸が痛んだ。
ページをめくるうちに、クマの子の寂しさの訳がわかった。
クマの子のおかあさんは、死んでしまっていたのだった。

やがて、クマの子は大人になり、恋人が出来て家族が出来る。
それでも、やっぱり寂しさは変わらなかった。
でも、娘に、子どもが生まれた時、娘が子どもを抱きしめてあやす姿を見て涙を流す。

『はじめて、かあさんの気持ちが分かった気がした。』

かあさんのこころは春の野原

読み終わって、胸がジーンとしてしまった。
なんだか、とても良くわかるような気がして、
言葉に表せない感動が胸に広がっていった。
こんな素敵な、隠れ家のような、お店を見つけて、とっても嬉しくなったのだった。
冬、雪が降ったら、また訪れてみたいと思った。
その時は、書棚に見つけた星野道夫さんの本を読ませてもらおうと思っている。

水溜りに沈んだ、真っ赤な落ち葉や、椎の実なんかを撮りながら、わたしは帰路に付いたのだった。




































































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